大谷が毎年二刀流でエリートレベルの活躍なら…MVPは自動的に大谷に行くべき?公式サイト記者が議論

[ 2022年8月15日 10:24 ]

 MLB公式サイト4人の記者が14日(日本時間15日)、エンゼルス・大谷の二刀流について興味深い議論を展開。もしこれから何年も続けて二刀流で打っても投げてもエリートレベルの活躍を続けたら、MVPはほぼ自動的に大谷なのか、あるいは今年のアーロン・ジャッジのような活躍をした打者が投げられないからと言って、MVPを取れないのは不公平ではないのか…などとしている。

 データに強いマイク・ペトリエロ記者は「不公平ではない。投げることは難しいのに大谷はとても良い投手だし、同時にエリートの打者。みんな大谷の二刀流を見慣れてきたかもしれないが、慣れてはいけない。正気の沙汰ではない」と発言。ベテラン女性記者のアリソン・フーターは「私は例外はあるけど、大体において、優勝争いをしていないチームの選手には動かない。私は今年のジャッジはよりバリューがあって、価値が高いと思う。ヤンキースは優勝争いをしていて、もしジャッジが外れたらチームは弱くなる」と指摘する。

 これに対しペトリエロ記者は「この21試合でジャッジは14本塁打、OPSは1・614と大暴れだがヤンキースは9勝12敗。15年から22年のエンゼルスが証明している。野球はチームスポーツで個人では勝てない」と反論した。

 アンソニー・カストロビンス記者は「WAR(そのポジションの代替可能選手に比べどれだけ勝利数を上積みできたかの指標)だけでMVPを決めるのは好きではないが、ファングラフスのWARを見ると現時点でジャッジは7・3、大谷は5・9と差が開いている。今なら99・99%ジャッジだ。しかも彼は1961年にロジャー・マリスが作ったア・リーグの本塁打記録を塗り替えるかもしれない。攻撃面で明らかに今年最高の選手」と意見を述べる。

 ペトリエロ記者は「ジャッジはマリスの記録を塗り替えるかもしれないし、正直に言ってしまうと(人気球団の)ヤンキースの選手でもある。これが普通の野手のMVPシーズンであれば、全て二刀流大谷に行くと思う」と断じる。カストロビンス記者は「今年のMLBの本塁打率は去年に比べてずいぶん落ちている。2001年バリー・ボンズが73本の記録を作ったシーズンよりも低い。15年以降では、一番率の低いタイミングで、ジャッジがこれだけ打っていることを考慮すべき」と補足する。

 データに強い女性記者サラ・ラングスは「もし毎年大谷がこの活躍を続けられたら、公平かどうかは別にして、普通のことのように受け取られてしまう。私はマイク・ペトリエロと同じ意見で、「同時はセーフ」みたいな感じで、彼がこの活躍を続けられれば「MVPは大谷」になる。ヤンキースの選手でもなく、大記録もかかっていなければね」と話す。

 最後に今日でシーズンが終りなら誰に投票するかの問いかけ。フーター記者、カストロビンス記者はジャッジ。ペトリエロ記者は「ジャッジ。数週間中堅手をプレーしたがその時も良かった。とはいえまつ毛一本の差。10月第1週には変っているかも」とした。ラングス記者は「ジャッジ。あのマリスの記録を抜いても、ア・リーグのMVPを取っていなければ、後に(投票者の)愚かな判断だったと見られる」と説明した。

 シーズンは残り7週間。今季の30人の投票者たちはこれから頭を悩ませることになる。

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2022年8月15日のニュース