聖光学院 横浜撃破、佐山2失点完投 祖母の遺骨ペンダント胸に「見守ってくれている」

[ 2022年8月15日 04:02 ]

第104回全国高校野球選手権大会第9日・2回戦   聖光学院 3―2横浜 ( 2022年8月14日    甲子園 )

<聖光学院・横浜>7回のピンチを無失点にしのぎ、笑顔を見せる聖光学院の先発・佐山(中央)(撮影・岸 良祐)
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 目を閉じて胸に手を置いた。第1試合開始直前の、まっさらな聖地のマウンド。聖光学院のエース・佐山未来(3年)は、ユニホームの下にあるペンダントから力をもらった。

 「ずっとおばあちゃんが見守ってくれている。マウンドに立っていて、1人じゃないと思うと心強いです」

 5月29日に亡くなった祖母の遺骨が入ったペンダント。壁を乗り越える好投の原動力だった。スライダーやカーブを自在に操り、9回を5安打2失点完投勝利。「初回は少し不安定なところがあったが、2回から変化球を低めに集めることができました」と春夏通算5度の優勝を誇る横浜打線を抑えた。1回戦は救援登板で、日大三(西東京)戦勝利に貢献。優勝経験のある関東の強豪に連勝し、5年ぶりの16強入りを決めた。

 “神奈川の壁”を打ち破った。福島県勢は春夏通じて神奈川県勢に8戦全敗。聖光学院もそのうち5敗で、横浜には2敗していた。斎藤智也監督は「横浜には三度目の正直。個人的には凄く意識していた。うれしいです。選手の方がけろっとしている」と笑みを浮かべた。

 佐山の将来の夢は「プロ野球選手」。生前に交わした祖母との約束を実現するためにも、目指すのは全国の頂点だ。「準備を最大限にやって、試合に入ったらぶっ倒れるまでやり切ります。エースは自分だという自覚がある」。強い決意を胸に、エースは最後まで右腕を振り続ける。(後藤 光志)

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