【甲子園】愛工大名電 「夏に弱い名電」とは言わせない 41年ぶり8強 猛打堅守 有馬は徹底研究で完投

[ 2022年8月15日 16:26 ]

第104回全国高校野球選手権 3回戦   愛工大名電5-2明豊 ( 2022年8月15日    甲子園 )

<愛工大名電・明豊>準々決勝を決め、アルプススタンドに駆け出す愛工大名電ナイン(撮影・坂田 高浩)
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 愛工大名電(愛知)が明豊(大分)を5-2で下し、工藤公康らを擁して4強入りした1981年以来41年ぶりの8強進出を果たした。愛知県勢としては、堂林翔太らを擁して2009年に優勝した中京大中京以来の13年ぶり8強入りとなった。18日の準々決勝では、第1試合で仙台育英(宮城)と対戦する。

 1回戦では星稜(石川)に14-2と大勝すると、2回戦では八戸学院光星(青森)に5点差を追いつき、サヨナラ勝ちと勢いを増して臨んだ3回戦。初回に4番・山田の犠飛で先制。3回にも3番・伊藤の右前適時打で2点目を加えた。4回には8番・石見の中前適時打、5回には5番・有馬、6番・市橋の連打で2点を加え、さらにリードを広げた。6番・市橋はこの試合4安打をマーク。チームも初戦から3戦連続の2桁安打と持ち前の強打を見せつけた。

 投げてはエース左腕・有馬が3戦連続で先発。毎回走者を背負ったが、2回には1死二、三塁のピンチで三塁走者をけん制で刺すなど好判断も光り、地道にピンチの芽を摘んだ。7回まで2点を失ったが最少失点の力投で完投した。

 倉野光生監督は「当時は私がコーチをしていまして、工藤公康を擁してベスト4までと。その後なかなか夏勝てなくて、夏に弱い名電とか言われていたがベスト8ですから、その上を選手に目指してやってほしい」と41年ぶりの進撃を喜んだ。

 エース有馬の力投と堅守が光り「有馬が非常に散発というか、連打を相手にさせなかった。点の取られ方は、しょうがない取られ方だった。プレッシャーを感じて大量点されるような点の取られ方ではなかった。これなら自チームが点をとって試合を優位に進められるだろうと。守りにおけるプレッシャーがそこまで今日は厳しくなかった」と振り返った。有馬の投球について「ひとつ間違えたら長打もある。非常に鋭いスイングの明豊さんだから、その打撃をどうやって封じるかということで。1戦目、2戦目、研究もされてますから、有馬もスライダー、チェンジアップといろいろコーナーワークを考えて。バッテリーが非常に研究してこの試合に臨んだので、それが良かったと思います」と振り返った。

 守っては7回には打っても大活躍だった二塁・市橋が中前へ抜けそうな当たりに飛びつき、ジャンピングスローで二ゴロに仕留めるスーパープレーを見せるなど内野の好守も光った。「随所に前へ出るっていうことが、練習でやってることがこの大舞台で出た。内野含めて守備感がよかった」と称えた。この日も単打で3戦連続2桁となる12安打。「速いボール、変化球に対応するのはセンター前に打つというのを選手が徹底してくれている。大振りせずよくミートできていた」とした。

 6安打2失点完投した有馬は「ベスト8という、一つの壁を越えられてうれしい。1、2回戦は納得いく投球ではなかった。きょうは一人で投げ切りたいと思ってマウンドに上がった。投げ切ることができて良かった。相手打線はスイングが強くて、怖い打線だった。打たせる投球を心掛けた。守備がしっかりアウトにしてくれて、気持ち良く投げられた」と振り返った。

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