日本ハム・加藤が復帰戦で5勝目 コロナ陽性による高熱も“ぶっつけ”の不安も乗り越えた

[ 2022年8月15日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム8―3ロッテ ( 2022年8月14日    ZOZOマリン )

<ロ・日>日本ハム先発・加藤(撮影・沢田 明徳)
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 頼れる左腕が帰ってきた。新型コロナウイルス陽性で療養していた日本ハム・加藤貴之投手(30)が1カ月ぶりに先発し、6回8安打2失点(自責1)で5勝目を手にした。“ぶっつけ本番”の復帰戦を白星で飾って不安を一掃してみせた。

 恒例となった勝利後の一本締め。輪の中心で音頭を取った加藤の表情は落ち着いていた。中心へと誘った新庄監督からも笑みがこぼれる。復帰戦で白星を挙げ、誰よりも安堵(あんど)していたのは加藤本人だった。

 「1カ月間、不安だったんですけど無事に投げられて良かったですし、試合に勝てたのでうれしいです」

 先月16日、新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。一時は40度近い高熱にうなされ、体重は約5キロ落ちていた。練習に復帰しても、2軍戦はコロナ禍によるメンバー不足で試合中止の連続。実戦感覚をつかめないまま、1カ月ぶりのマウンドに上がった。

 1点の援護をもらった直後の初回の投球。先頭の荻野にいきなり同点ソロを浴びた。不安が的中する一発にも「ホームランを打たれても、次、次と切り替えて投げることができた」。失っていた感覚を取り戻したかのように、後続を3人で抑えてみせた。

 3回に味方の失策絡みで1点を失ったものの、以降は加藤の真骨頂だった。ゆったりとしたフォームから緩急自在の投球。3回以降は毎回得点圏に走者を背負いながらも、要所で打ち取り流れを与えなかった。新庄監督は「体力的にどうだったかなって(不安だった)。久々に投げたから精神的にも疲れただろうし。まあ、勝ちってことで疲れも半減しただろうし、復帰して勝ちがついたのは凄い良かった」と安堵した。

 「僕なんて大したことないんで」。加藤は常々そう謙遜する。決して150キロ超の速球を投げられるわけではない。三振を取れる投手ではないと分かっているからこそ、磨いてきたのは制球力だ。力が入りそうな復帰戦でも、最後に信じたのは自分の武器。いつもと変わらず、6割の力で好投してみせた。

 先月にコロナ陽性判定を受けた選手が次々に復帰。この日の2軍戦では負傷の松本剛、上沢も実戦復帰した。終盤戦へ、パ・リーグの台風の目となり得る戦力が整いつつある。加藤も「出遅れた分、最後まで(1軍に)いられるように頑張っていきます」と力強く答えた。

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2022年8月15日のニュース