DeNA・三浦監督に聞いてみたい 入江がヤクルト山田を抑えた場面…「やり返しましたよね」

[ 2022年8月15日 09:00 ]

12日のヤクルト戦8回、山田を凡打に仕留めガッツポーズするDeNA・入江(撮影・尾崎 有希)
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 三浦監督、この対戦を「やり返した」と判断してよろしいですか?

 DeNAの入江大生投手(23)が12日、ヤクルト戦(神宮)の4―2の8回1死満塁で登板。2死後、オスナに四球を与え1点差とされ、内山壮の代打で山田を迎えた。打撃不振に苦しむが山田は山田。緊迫の場面に球場のボルテージは上がった。

 ここで駆け寄った捕手・嶺井に気合いを注入された右腕。2ボール1ストライクから153キロの直球で右飛に打ち取り、握り拳をつくった。4球すべて直球。入江の興奮状態は続いた。

 ドラフト1位(明大)で入団した昨季は開幕先発入りも、4連敗し2軍に降格した。そして右肘をクリーニング手術。3敗目を喫した4月14日のヤクルト戦(神宮)で、山田とプロ初対戦。初回中飛、3回四球の5回第3打席で、甘いフォークを左翼席に運ばれた。直後にノックアウト。昨季の山田との対戦は「打たれたまま」これで終わった。

 記者はDeNA担当2年目。三浦監督との対話の中で印象に残る言葉の一つが「やり返せ」だ。現役生活25年。通算172勝の実績の中、強打者と名勝負を重ねた番長にその精神は刻まれている。痛打を喫した若手投手には、「やり返してもらいたい」とエールも送ってきた。だが昨季は最下位。今季は美学よりもチーム再建を重視し、その言葉を発する機会はここまでない。

 中継ぎに転向した入江が、今季山田と対戦したのは、12日が3度目だった。過去2度も直球で左飛に抑えている。そしてこの日も直球でねじ伏せた。

 今季は12日終了時点で36試合2勝6ホールド、防御率3・27。最速157キロの直球に、140キロ台のフォークが武器で、山田には直球勝負で自身の成長を見せつけた。

 あの場面、記者は入江が山田に「やり返した」と思った。だがシーズンは佳境に入り、今は美学よりチームの勝利が優先される。好調のチームは一丸で大逆転の24年ぶりの日本一を目指している。

 だからオフになったら監督に聞いてみたい。「あのとき、入江は山田にやり返しましたよね」と。きっと番長は、笑顔でうなずいてくれると思う。(記者コラム・大木穂高)

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2022年8月15日のニュース