海星・河内が攻守に躍動 闘病中の弟へ「活躍できたよ」“サッシ―以来”46年ぶり夏2勝導いた

[ 2022年8月13日 04:02 ]

第104回全国高校野球選手権第7日・2回戦   海星4―2天理 ( 2022年8月12日    甲子園 )

<天理・海星>2回2死一、二塁、天理・戸井の中飛を好捕する海星・河内(撮影・岸 良祐)
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 海星は粘る天理を振り切り3回戦進出。「サッシー」の愛称で知られた酒井圭一(元ヤクルト)が好投した76年以来となる夏の甲子園2勝となった。

 鮮やかな照明が降り注ぐ甲子園に海星の校歌が流れた。46年ぶりの夏2勝。主役は1番・河内夢翔(ゆめと)だ。攻守で躍動し「やってきた成果を出せた」と胸を張った。

 初回に左中間二塁打で出塁し、先制のホームを踏んだ。1―1の2回2死二、三塁では右前に決勝の2点適時打。「抜けろ!と思ったら抜けてくれました」。好右腕・南沢佑音の攻略にひと役買うと、9回には左腕・中川輝星から左中間二塁打と3安打を放った。

 中堅守備でも魅せた。2回2死一、二塁では後方の大飛球を背走しながら好捕。「ああいうのは得意。いけるなと思いました」。天理打線の反撃の芽をつむ超美技に、加藤監督からは「動物的なプレーをする選手。何か持っているんだなと思います」と称えられた。

 河内には勝利を届けたい人がいる。弟で8歳の愛季(あいき)くんで、現在も通院しながら脳腫瘍で闘病中だ。試合前には、弟から「活躍してね」「ファインプレーしてね」と書かれた手紙をもらった。この日はアルプス席で母の美友紀さんとともに観戦。母が「思いやる気持ちが強くなりました」と成長を感じ取ると、兄として「手紙通りにきょうも活躍できたよ、と伝えたい」と胸を張った。

 投げては先発した向井恵理登が変化球を駆使し7回2/3を2失点。初戦で完封した宮原明弥が好救援で試合を締めた。8回2死満塁では二塁後方の飛球を、峯蒼一郎がダイビングキャッチ。ここでも球際の強さが光った。

 次戦は今秋ドラフト候補の山田陽翔を擁する近江との対戦する。「コンパクトに打っていきたい」と河内。オランダ坂に再び夏の熱狂をもたらす。(杉浦 友樹)

 ▽1976年夏の海星 エースで4番の“サッシー”こと酒井圭一が2回戦・福井戦、3回戦・崇徳戦の連続完封を含む4試合連続完投勝利で、長崎県勢として24年ぶり2度目のベスト4進出。準決勝のPL学園戦では9回裏に同点に追いつく粘りを見せたが、延長11回の末に2―3で敗れた。

 《7度目で初勝利》海星が天理に勝利。同校が選手権で近畿勢と対戦するのは
年相  手  スコア
59平  安 ●0―6
61桐  蔭 ●0―3
72明  星 ●1―6
76PL学園  ●2―3
02智弁学園 ●0―3
11東洋大姫路●0―4
22天  理 ○4―2
7度目で初勝利となった。

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2022年8月13日のニュース