侍・栗山監督と一問一答 昨季MVPハーパーWBC出場表明に「いち野球人としては最高」「いいじゃない」

[ 2022年8月13日 15:12 ]

「背番号17 KURIYAMA」のユニホームをエンゼルスからプレゼントされた侍ジャパン栗山英樹監督(撮影・柳原直之)
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 侍ジャパンの栗山英樹監督(61)が12日(日本時間13日)、米カリフォルニア州アナハイムのエンゼルススタジアムで行われたエンゼルス―ツインズを観戦した。大谷翔平投手(28)は「2番・DH」で出場し、4打数無安打だった。エ軍から日本ハム時代の「愛弟子」にあたる大谷の背番号「17」と「KURIYAMA」と書かれたユニホームが贈呈された。以下、主な一問一答。

 ――大谷の魅力、強さ。

 「いつかメジャーに旅立って現地で見ることがあればと思いましたが、きょういろいろ感じましたけど。ちょっと今回はそういう、良かったなとか思って見てる状態では、自分の立場が違うので。ちょっと違う立場で見てましたけれど。ほんとに天井がどこにあるのかわからないというか、野球人が見ていてもどこが天井なんだと思わせてくれる選手だったんでね。それは僕と一緒にやっている時も変わらない。それはすごく楽しみにしています」

 ――大谷は前回大会に右足首のケガで出場を断念。今回のWBCへの思いは強い。

 「前回17年、僕は監督やりながら方向性を探りましたけど、体のことも含めて本人の思いっていうのも理解しながら話しながらということでしたけれど。WBCとかそういうことではなくて、新たな大きな壁に向かってどれだけ自分がそれを打ち破れるかとずっとやってきた選手。そういう意味では他の国の選手たちも今回はほんとに良い選手が出てくる感じもあるし。本人も楽しみにしているだろうし。これは僕がジャパンの監督ということではなくて、ファイターズ時代の彼を見ているとそういう大きな物に立ち向かっていくという姿はいつもあるなと。あとは本人がどう思っているかわからないですけど」

 ――メジャーの舞台は初視察。

 「会った時に声かけるのはいつもの通り。特別何か言葉をかけることはないですし。ただ、体は元気なんですかということの確認だけ。あとは球場のスタンドにいて、ファンの皆さんが本当に彼の動きを楽しみに見てくれているのは一番印象に残ったし、我々はそういう選手を一人でも多く生み出したいと思ってやってきましたけど、これだけ多くの、野球の国アメリカで喜んでくださっている。そこだけはすごくうれしかったです」

 ――メジャー視察での手応え。

 「魂を届けるという作業だと思ってるんでね。本当の意味での人選は帰ってからということになりますが、久しぶりにメジャー実際に来て、思った以上に、中継で見ていてメジャーのピッチャーのレベルが上がっているというのはわかってましたけど、ちょっと本当にいろいろ考えないと難しいなあって思った。踏まえて今後の準備をしっかりしていきたい」

 ――思った以上にレベルが高い。

 「これだけやっぱり特に後ろの投手は、どのチームもこれで球速くなってくるとそう簡単にっていう風邪には。メジャーでもそうだけど、後ろの投手につながれるとスッと終わるケースが多いけど。実際に目の当たりして、あの速い球があれだけ動くっていうのを球場で見ていると点を取る形も大事だけど、それを含めて、いろいろホントに考えないと。なんとなく日本代表の一番力のあるチームということよりもそれに対抗できる形とかそういうことも考えなきゃいけないかなと思いました」

 ――大谷の二刀流について。

 「僕がどうこう言うことじゃないし、皆さんが一番理解してると思うし、日本の野球ファンの皆さんも理解してるところだと思う。そういうふうな思いは、僕も120%感じている。それも踏まえてどういうふうにしていくかはこれから考えます」

 ――米国代表の一員として昨季ナ・リーグMVPのフィリーズの主砲ハーパーも出場表明。

 「いち野球人としては最高ですね。この大会が世界の最高の選手たちが集まるっていうふうになってくれることが。日本だけではなくて、野球の在り方は問われる時代になっていて。そういう意味でもWBCというのは大事なんだと選手にも訴えてますけど、それはアメリカもそうだと思う。これからメジャーリーグがさらに続いていくようにという時だと思うんで、それを選手が感じてスター選手が出ると表明してくれるわけですから。それに我々も応えられるようなチームを作らなきゃいけないし、選手もそういう思いでしっかり応えてくれると信じています」

 ――日本代表選手を選ぶ条件。

 「もちろん第一条件は魂なんで。日本の野球のために、次の世代のために、野球をやりますよ、日本の野球を示しますよ、それが一番なんですけど。魂はみんな持っていると思うので。その上でどういうバランスでどういうチームをつくればいいか。相当、スター選手が出てくるので。やっぱり投手中心にしっかりまず守るという前提の中でいくのか、その中でどういう風なメンバーなのか、全員足が使える選手を逆にいっちゃうのかとか。なんとなく良い選手だから選ぶっていうのはやめた方がいいかなと思っています」

 ――ハーパーが出場を表明したという話を聞いた時に表情が緩んだ。

 「ハーパーとかストラスバーグ(ナショナルズ)とか学生時代からあれだけ騒がれた時に、すぐキャンプの時にプロ入って見たくてね、そういう選手が実際に出てくるのは個人的にはすっごい楽しみだし。そういう選手たちが本気でぶつかってくれるならこれだけやりがいのあることはない。選手たちも思ってくれるんじゃないかな。大変になれば大変になればなるほど、何か起こる可能性が起こると思っているので。ハーパーの話、初めて聞いたので。いいじゃないって感じですね」

 ――現時点で思っている日本の野球の強さ、らしさ。

 「当たり前のことを当たり前にできるという。例えば、もう半歩早くスタート切れてたらとか、もう半歩、全力で、相手のバッターのスイングを見てもう半歩守備位置を変えられているとか。データ以上に感性を持ってプラスに変えられるとか、きめ細やかさをそれぞれのシーンで。なんといっても守る、走る、投げる。そういう精度はかなり高いと思っているのでそこは世界に誇れるものだと思っています」

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