阪神・青柳、毎年恒例“験担ぎ”のおかげ!? 京都・白峯神宮お参りで“仕切り直し”や~っと開幕や!!

[ 2022年4月16日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―1巨人 ( 2022年4月15日    甲子園 )

<神・巨>8回無死一塁、ロハスの一発にベンチから飛び出して喜ぶ青柳(撮影・大森 寛明)
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 聖地に背番号50は、みんなが待っていた光景だ!阪神は15日、本拠地・甲子園で今季初めて巨人を迎えた伝統の一戦で待望の白星をつかんだ。4―1の快勝で連敗を「6」で止めた。開幕18試合目にして2勝目。新型コロナウイルス感染で出遅れた今季初先発の青柳晃洋投手(28)が8回1失点で甲子園での巨人戦初勝利を挙げた。帰ってきたエースが生み出した勢いをきっかけに、猛虎が逆襲に転じる。

 無念の日々を感謝の1勝に変えた。ピンチでは併殺、勝負どころでは緩急。待望の今季初登板で青柳が躍動した。

 「流れを持ってこられる投球ができたらと思って。粘ってたら勝てると思っていた」

 逆転直後の6回1死一、二塁で初回の先制打を含む2安打の坂本をカーブで中飛に。「梅野さんと何かを変えないといけないと話して」と73球目で初めて投じた球種で難敵を仕留め、後続も断った。走者を背負っても3つの併殺で切り抜け追加点を与えず。試合中に降り出した雨も、この日ばかりは邪魔をせず、復帰を祝う歓喜のシャワーに見えた。

 ちょうど3週間前の3月25日。自分が立つはずだった栄えあるマウンドは画面の向こう側にあった。ユニホームではなく私服でテレビを見つめた時間。去来したのは純粋な感情だった。「素直に応援できなかった。プロに入って初めて悔しい気持ちで試合を見ました。ずっと優勝したい、チームが勝ってほしいと思って普段は試合も見てますけど、いつもの感情では見ることができなかったです」

 開幕投手断念のショックだけではない。隔離期間を終えると、手先に異変が起きていた。「ボールの重みに指が耐えられずに張って握れなかったり…。オープン戦まで好調だったのに、その感覚が全部消えてしまった」。2軍の練習復帰後は3日間、キャッチボールの時間を長く取り徹底的に指先の“記憶”を取り戻させた。「(首脳陣から)状態が戻ってないとなれば、すぐ2軍に落とされるでしょ」。昨季の2冠投手とは思えない危機感を胸に帰ってきた。

 “仕切り直し”の験担ぎも済ませた。3月30日、妻と向かったのは京都の白峯神宮。スポーツの神様として知られ大学4年時に初めて訪れドラフト指名されて以来、開幕前、球宴休み、閉幕後と毎年3回、必ず手を合わせてきた場所。実は開幕戦を前に3月16日に訪れる予定も、その日に濃厚接触疑いとなった。「ちょうど行けなかったのでこれで“開幕”できます」。心身ともに準備を整えて聖地のマウンドに立った。

 8回1失点で甲子園での巨人戦は7年目にして初勝利。お立ち台では「遅くなりました」と申し訳なさげだった男が逆襲のけん引役になる。(遠藤 礼)

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2022年4月16日のニュース