市和歌山・エース米田 大会最速右腕が粘りの完投勝利!“怪物”佐々木を4打数無安打2三振

[ 2022年3月23日 10:50 ]

第94回選抜高校野球大会第5日第1試合 1回戦   市和歌山5―4花巻東 ( 2022年3月23日    甲子園 )

<市和歌山・花巻東>市和歌山の先発・米田(撮影・平嶋 理子)
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 第94回選抜高校野球大会第5日は23日、阪神甲子園球場で1回戦が行われた。第1試合では、2年連続8回目出場の市和歌山(和歌山)が5―4で4年ぶり4回目出場の花巻東(岩手)に勝利し、2年連続で初戦突破を果たした。今秋ドラフト候補の今大会最速149キロ右腕・米田天翼(つばさ=3年)は粘りの投球で4失点完投した。

 昨秋ドラフトでDeNAから1位指名された小園健太の「1」を継いだ米田にとって、昨年のセンバツ2回戦の明豊(大分)戦で先発(4回1失点)以来の甲子園のマウンド。昨春は、打線の援護なく敗れたが、1年で“勝てる”エースに成長。立ち上がりの初回に球が高めに浮き、1失点したが、2回以降は140キロ台の直球に7種類の変化球(スライダー、カーブ、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ、フォーク、シュート)を織り交ぜて凡打の山を築いた。9回に3失点し、1点差に詰め寄られたが、リードを守り切った。

 2年生ながら高校通算56本塁打の佐々木との対決では、初回無死一、二塁で空振り三振に仕留めると、3回無死でも直球で空振り三振。5回2死からも直球勝負で詰まらせて三飛に打ち取った。8回無死からは一ゴロに仕留めた。9回2死一塁は死球だった。

 冬場、多くの高校球児は体重アップを図るが、米田は逆に1キロ落として80キロに。その分、筋肉量を増やして体に切れを出した。今センバツの組み合わせが決まると、市和歌山OBで、19年センバツで捕手としてチームを8強へ導いた兄・航輝(龍谷大)に花巻東の映像をチェックしてもらい、アドバイスをもらい、この日の勝利につなげた。

 試合後、米田は「まだまだ自分の投球はできなかったんですが、勝ち切れたのが一番大きかったので、そこがよかったと思います」と振り返り、153球の熱投も「疲れはない」と言い切った。強力打線の花巻東に対し「内角をどんどんついていって攻めの投球を心掛けました。高めにいった球もあったので修正したい」と言い、佐々木に対してはこの日の最速145キロを投じ「素晴らしい打者なので、自分の一番の長所の直球で勝負しました」と話した。

 ◇米田 天翼(よねだ・つばさ)2005年(平17)2月13日生まれ、大阪府岸和田市出身の17歳。城東小1年から岸和田サウスジュニアーズで野球を始め、2年から岸和田ストロングスへ。山直中では貝塚シニアに所属。市和歌山では1年秋からベンチ入りし2年秋からエース。1メートル75、81キロ。右投げ右打ち。

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