【インタビュー】中日・立浪監督 開幕戦の巨人は「最高の相手。星野さんは一番気合入っていた」

[ 2022年3月23日 05:30 ]

チーム再建へ気合の入る中日・立浪和義監督(撮影・椎名航)

 中日・立浪和義監督(52)が本紙のインタビューに応じ、就任1年目に挑む熱い思いを語った。25日の巨人との開幕戦を控え、投手陣の仕上がりに手応えを感じつつ、課題の打線についてはオーダーを固定せずに戦うことを示唆。9年間で8度Bクラスに沈むチームの再建へ「戦う集団をつくるために気合入れてやっていく」と決意を新たにした。 (取材・構成 中澤 智晴)

 ――ここまでの収穫は?
 「打線はあまりオープン戦で打てなかった。バンテリンドームはそう点が入る球場じゃないが、その中で1点を貪欲に取りにいく野球をしていかないと。投手陣では勝野がずいぶん良くなった。あとは小笠原、高橋宏。投手の方が良くなっていると感じる」

 ――チームの完成度は?
 「正直、未知数。投手の方は多少なりとも後ろの部分も含めて計算できるかなと思う。打つ方はまったく分からない。これだけ点が入らないとね」

 ――オーダーは臨機応変に?
 「ビシエド4番でスタートするが、3番も5番も、この選手が打てるというのがいないでしょ。早く鵜飼や石川昂あたりがクリーンアップを打てるようになれば、また新しいチームになるのだろうが、まだそこまでのレベルじゃないので」

 ――左翼候補は多い。
 「鵜飼も含めて調子の良い選手をどんどん入れ替えて使っていく」

 ――根尾の現在地は?
 「ひそかに結果(オープン戦は14試合で打率・304)を出しているんでね。岡林はもちろん使っていくが、まだまだ分からない。根尾にもブライトにもチャンスがある」

 ――現役時代のチームとの違いは?
 「今の選手はずいぶんのんびりしている。素直でかわいげのある選手はたくさんいる。言い方は悪いが、負けに慣れているところが少しある」

 ――昔はもっとギラギラしていた?
 「負けたくなかったので。本気で悔しがって、反省して、明日はやり返すという気持ちをもっと持たないと。選手を見ていて負けだしたら、ダダダッといくのが分かる気がした」

 ――戦う集団に変えていくしかない?
 「負けてはいけない…ぐらいの感じに持っていかないと。負けても明日、明日じゃなく。自分の中で反省して、消化してグラウンドに出てこいと。もちろん元気を出して、常に前向きでやっていかないといけない。そういう意識はずっと言い続けていく」

 ――負けを最も嫌っていたのが星野仙一監督だった。
 「負けたら傷口に塩、ではないけど。自分が怒られることが分かっていて、憂鬱(ゆううつ)でしょうがなかった時代はあった。結果的には、それが言われたくない、怒られたくないから必死に勝ちに行く形になった。その部分は大事。叱責(しっせき)?凄いどころじゃないですよ」

 ――開幕は星野監督が宿敵にしていた巨人。対戦が決まった時は鳥肌が立ったと?
 「最高の相手なんでね。星野さんの時は監督が一番気合入っていましたからね。監督含めコーチも戦う集団をつくるために気合入れてやっていきますよ」

 ◇立浪 和義(たつなみ・かずよし)1969年(昭44)8月19日生まれ、大阪府出身の52歳。PL学園では87年に主将で甲子園春夏連覇。同年ドラフト1位で中日入り。1年目の88年に新人王。03年7月5日の巨人戦で通算2000安打達成。08年から打撃コーチ兼任で09年に引退。通算2586試合、打率.285、171本塁打、1037打点、135盗塁。487二塁打はプロ野球記録。19年にプレーヤー部門で野球殿堂入り。右投げ左打ち。

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