オリックス・由伸 ラスト10人目で「胴上げ投手」 初の頂点、支えてくれた母に最高の恩返し

[ 2021年10月28日 05:30 ]

オリックス 25年ぶりパ・リーグ制覇

優勝を決め胴上げされる山本(撮影・後藤 大輝)
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 歓喜の輪の中心で、背番号18の表情が崩れた。オリックス・山本は先輩たちの後を受け、ラスト10人目で3度、宙に舞った。まさに「胴上げ投手」だった。

 「めっちゃ浮きましたよ。みんなパワーあるから…」

 新世代の剛腕の原動力は反骨心だった。「大好きな野球だけは誰にも負けたくない」――。岡山・伊部小1年で二塁手、捕手として始まった野球人生。投手を務めた試合で負ければ、帽子を目深にかぶり直し、こぼれる涙を隠した。都城時代も甲子園には届かなかった。

 家族の支えもあった。野球漬けの日々を後押ししてくれた。2年前の成人式の際、母・由美さんに「育ててくれて、ありがとう」と伝えた。初めて頂点に立った姿は最高の恩返しになったはずだ。

 脳裏に焼き付き離れない光景がある。実は19年オフに極秘渡米しメジャーを初めて観戦した。コロナ禍以前の熱気に包まれた球場、色鮮やかな天然芝、夢舞台に目を奪われた。

 「楽しかったですよ。一度、見ておこうと思ってね。好きなメジャーの球団や好きな球場とかは内緒。全部、10年後に話しますね」

 目前に迫る日本一をかけた戦いに向け「完璧な状態でCSに入れるように。責任を持って調整したい」と表情を引き締めた。25年ぶりの日本一、来季のリーグ連覇。そしてその先へ――。海を渡るのは、数多くの置き土産を残してからだ。

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