続投決定の広島・佐々岡監督 目指すはヤクルト流の改善策「最たる例が四球の数。立て直す必要ある」

[ 2021年10月28日 05:30 ]

<ヤ・広23>初勝利のコルニエルを祝福する佐々岡監督(撮影・島崎忠彦)

 広島・佐々岡真司監督(54)が3年目の来季も指揮を執ることが27日、決まった。球団からの続投要請を受諾した。今季は3試合を残して60勝68敗12分け。外国人選手の不振や新型コロナ禍が響き、3年連続Bクラスの4位が確定する。一方で、若手を積極登用し、終盤にはクライマックスシリーズ(CS)逆転進出を期待させる猛追を披露。球団はそれらを考慮、評価した。

 本拠地での今季最終2連戦を前にした27日夕、鈴木清明球団本部長(67)は佐々岡監督と同日の全体練習前に面談し「来季の続投を要請して内諾を得た」と明かした。指揮官は「成績に責任を感じるし、正直悩んでいた。ありがたい話」として決意を吐露する。

 「受けたからには気持ちを切り替えて臨まないといけない。今季の反省を踏まえ、優勝を狙えるチームづくりをしていきたい」

 歴代監督がそうであったように佐々岡監督も1年契約。ただ球団は3~5年のスパンで招へいしており、来季続投は規定路線でもある。昨季5位からの逆襲を期した2年目の今季は、心ならずも4位に終わった。低迷には相応の理由がある。

 5月に発覚した新型コロナウイルスへの集団感染。鈴木誠や菊池涼、九里ら主力が相次いで離脱を余儀なくされ、交流戦で抱えた借金9はシーズン成績に直結した。「外国人選手が全く働くことができなかった」(鈴木球団本部長)ことも低迷の主要因となった。

 光明はある。特例2021代替選手として昇格した林が台頭。小園や坂倉ら若手を積極的に起用したことでチームの底上げにつながり、主砲・鈴木誠が本領発揮した終盤は、最大借金17からCS進出への期待すら抱かせる猛追劇を披露した。

 鈴木球団本部長は、引き続き指揮を託す理由について「後半戦は思い切った起用の中で選手が伸びてきたので託してみたい。2年間の采配の中で反省を生かし、来年1年やってほしいということで依頼した」と語った。

 課題は山積する。リーグトップのチーム打率・262を誇りながら効率が悪く、得点537は同5位。防御率3・85も2年連続リーグ5位に甘んじ、改善が求められる。佐々岡監督は百も承知だ。

 「優勝したヤクルトは投手陣が大幅に改善された。最たる例が四球の数で、立て直す必要がある。バントや進塁打を含め、ここという場面での1点にも課題が残った。もう一度鍛え直したい」

 無論、選手起用を含めた自身の采配も反省点に含まれる。どう変わり身をみせるか。勝負の3年目に注目だ。 (江尾 卓也)

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2021年10月28日のニュース