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退任のソフトB・工藤監督「幸せな7年間」 選手にはラストメッセージ「常に勝ち続けられるよう」

[ 2021年10月28日 05:30 ]

<ソフトバンク工藤監督退任会見>王会長(左)から労をねぎらわれ花束を受け取る工藤前監督

 さらば、名将。今季限りで退任したソフトバンクの工藤公康監督(58)が27日、ペイペイドームで退任会見を行った。3度のリーグ優勝、5度の日本一に輝いた7年間を振り返り、時折言葉に詰まりながら感謝の言葉を述べた。教え子たちには練習の大切さを改めて説き、常勝ホークス復活を願う熱いメッセージを残した。

 工藤監督は登壇するなり、「今は抜け殻のようになってる感じかと思います」と苦笑した。必死に戦い抜いた男の顔はすがすがしかった。

 「幸せな7年間を過ごすことができ、感謝を申し上げたい。選手は頑張った。僕を彼らが変えてくれた。敗戦の責は将が負うものと思っていた」

 今春キャンプイン前日の1月31日。5年連続日本一、リーグ2連覇への思いを選手に伝えた。「今年が何より大事な年になる。どのチームも“ホークス倒せ”で来る」。ところが、エース千賀やグラシアルなど故障者が続出したチームは8年ぶりの4位に低迷。就任以来ワーストの8連敗もあった。10月に入って退任を決断し、球団からの続投要請を固辞した。

 今季は就任以来初めてクライマックスシリーズ(CS)進出を逃したが、15年からの7年間で残した実績はさんぜんと輝く。練習量にこだわり「選手に厳しいことを課した」ことで3度のリーグ制覇と5度の日本一を果たした。転機となったのは優勝した日本ハムに最大11・5ゲーム差をつけながら2位に終わった16年のオフ。熟考し、現役時代の原点に戻った。「いつまでやっても終わらない練習に文句もあった」と当時を振り返り「人より上にいく、抜くには練習すること。技を身につけるのも、心を磨くのも、体を鍛えていくのも練習しかない」という信念を貫いた。

 チームは来季、藤本博史新監督のもとで再スタートを切る。「ホークスは常に勝たないといけないチーム。これでいいはない。常に勝ち続けられるよう、一人一人が信念、たくさんの思いを背負って戦い続けてほしい」。球団史に栄光を刻んだ名将は、チーム愛あふれるエールを送った。(井上 満夫)

 《王会長も労い「いい成績を出してくれた」》会見にサプライズ登場した王会長が工藤監督にねぎらいの言葉を贈った。花束を贈り、「7年間、本当に凄いね。いい成績を出してくれた。お礼を言う。今度は家庭サービスだね」と感謝した。驚きを隠せなかった工藤監督は「申し訳ないですよ」と恐縮の様子だった。

 《戦友の墓参りに》工藤監督は退任会見で特別な人たちに退任の報告をしたいと話した。ダイエーでの現役時代の弟分で病気のため2000年に31歳の若さで他界した藤井将雄さん、昨年9月にくも膜下出血のため急逝した川村隆史コンディショニングコーチ(享年55)らの墓参りに行く。「辞めたことは怒られるかもしれないが、“成長して頑張るよ”と。多少は僕のことも話してみたい」と語った。また余暇については「アウトドアが好き。時間があれば九州を転々とキャンプをして、いろんな景色を見たい」と楽しみにしていた。

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