オリックス・T-岡田&安達 悔し涙で寝られなかった14年の「10・2」 やっと果たせた7年前の雪辱
オリックス 25年ぶりパ・リーグ制覇
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生え抜き野手最年長のT―岡田外野手(33)と安達了一内野手(33)にとっては初めて勝ち取った優勝だった。88年早生まれの同世代で、14年には勝率2厘差の悔しい2位も経験。苦難の日々と悲願への道のりを語り合った。(取材構成・湯澤 涼)
――今季、優勝を予感した試合はあった?
安達 全然ない。
T―岡田(以下、T) 11連勝(6月6~23日)しても、ずっとうまくいくことはないやろな、と。良くも悪くも勢いが左右するチーム。悪ノリしないようにとは思って見ていた。嫌でも重圧はかかる。僕から話すことはないけど、無神経になるのが一番かなって。全員に言うというよりも、個人でちょっと話したり。ラオウ(杉本)には、冗談交じりにですけど、くぎを刺すじゃないですけど。
――杉本や紅林ら新戦力の台頭をどう見る。
T やっぱり頼もしい。ラオウは信頼できる4番。紅林にしても開幕の時から考えると、守備も打撃も本当に成長している。頼もしくなってきている。
安達 (紅林は)すごい成長している。いい意味で、天然だし。あいつ、(吉田)正尚系なんで。うらやましいけどね。守備位置とか、ちょっと気になったことぐらいしか言わないし、全然、聞いてこないし。
T 打撃しか興味ないもんね。
――2人にとっては14年の雪辱になった。
安達 必死でついていくだけだった。すごい緊張感。“10・2”。あんな試合は何回やっても緊張する、絶対。最後は本当に悔しくて。悔しくなかったら、あんなに泣かない。寝られなかった。テレビは(ソフトバンク優勝のニュースばかり)やっているし、テレビなんかつけられなかった。真っ暗な部屋に閉じこもっていた。
T 悔しかったよね、シンプルに…。シーズン中からずっと、優勝できる感じは全然なくて。僕もああいう順位で戦うのは初めてやったし、必死でしたし。もう本当に気力というか、気持ちだけで毎日試合をやっているような感じだった。
――7年前はソフトバンクの優勝を目の当たりにした。
T 放心状態っていうか。悔しいのと、“終わっちゃったんだ”っていう不思議な感じ。向こうが喜んでいるところは見たくなかった。なんやろ、ほんま、悔しくて何も考えられなかった。なんて言ったらいいか分からない気持ちだった。
――当時を2人で振り返ることは。
安達 ないね。(Tも)一緒の場にいて後輩に話すのはあるけど。悔しいのはお互い分かっているんで。
T 掘り返したくないというか、あんまり触れたくないところではあったよね。レベルアップしたいっていうのは毎年思っている。あの時と立場も違うし、求められているのも違う。野手の中で一番年上で、自分は良くも悪くも雰囲気を左右してしまう存在ではあるのかなって思うし。若い子が多いだけに、みんなが、やりやすい環境をつくってあげるのが大事やと思ってやっていたよね。
――同世代だけど入団年は違う。信頼関係はいつから?
T いつやろ。それこそ14年かな。試合に出ている中で、同い年やし、話すことが多くなった感じ。
安達 自分のことでいっぱいいっぱいだった中で、同級生で頑張っていて、すごいなあって。
T 春のキャンプで朝からずっとノックを受けていて、森脇さんと、練習が終わってもノック。“こいつ、どんだけ練習すんねん”って。そういうのも見ていて、その年、頑張ってほしいって余計に思った。自然と信頼できるような間柄になったかな。
――家族ぐるみの関係。
T コロナになってからは全然だけど、普通にメシ食いに行くくらいよね?
安達 14年?ディズニーシーに行った。何したか全然、覚えてないけど(笑い)。何に乗ったとか。何を話したっけ。レイジングスピリッツは乗ったと思う、たぶん…。
T なに、レイジングスピリッツって?全然覚えてない…。
――まさか男2人?
安達 いやいや男2人はない(笑い)。(安達夫妻と結婚前のT夫妻)2―2で。
T 子供が大きくなってきたし、コロナが落ち着いたら、どこか行きたいね。(安達も)ディズニー好きだし、息子を連れていってあげたいね。
▽T―岡田と安達の「10・2」 14年10月2日、残り3試合で勝てば優勝マジック1がつく首位・ソフトバンクとの最終決戦は1―1で延長戦に突入し、10回サヨナラ負けでV逸。主力選手は人目をはばからず涙を流し、6番一塁で4打数無安打のT―岡田は悔しさを問われて「はい」と答えるのがやっと。2番遊撃で5打数2安打の安達も「悔しい気持ちしかない」と声を震わせた。
◇T―岡田(てぃーおかだ、本名岡田貴弘=おかだ・たかひろ)1988年(昭63)2月9日生まれ、大阪府出身の33歳。履正社では高校通算55本塁打も甲子園出場なし。05年高校生ドラフト1巡目でオリックス入り。登録名を「T―岡田」に変更した10年に33本塁打で初タイトルを獲得し外野手のベストナイン。14年は一塁手としてゴールデングラブ賞。20年9月26日の日本ハム戦でプロ野球史上12人目の全打順本塁打を達成。1メートル87、100キロ。左投げ左打ち。
◇安達 了一(あだち・りょういち)1988年(昭63)1月7日生まれ、群馬県高崎市出身の33歳。榛名、上武大、東芝を経て11年ドラフト1位でオリックス入り。堅守巧打の遊撃手として2年目からレギュラーに定着。14年は主に2番打者としてチーム最多45犠打、同3位の29盗塁で貢献。16年1月に国指定の難病でもある潰瘍性大腸炎を患ったが4月に復帰。7月に打率・380で月間MVPを受賞した。1メートル79、90キロ。右投げ右打ち。
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