広島、5連勝! 6回2失点で自己最多10勝目、九里の“秘密兵器”はメジャー流グラブ!?

[ 2021年9月30日 05:30 ]

セ・リーグ   広島8-2阪神 ( 2021年9月29日    甲子園 )

<神・広(20)>自己最多となる10勝目をあげた広島・九里(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 広島の九里亜蓮投手(30)が29日の阪神戦で6回2失点と力投しプロ8年目で自身初の2桁10勝目に到達した。9勝目を挙げて以降、2試合乱調が続き、この日も8安打を許して3回を除き毎回走者を背負ったが、持ち味の粘りを発揮した。リーグトップの巨人・高橋に1勝差に迫り、最多勝争いに加わった。チームは今季最長に並ぶ5連勝となった。

 10勝に到達した節目の登板は、九里のスタイルを凝縮した粘りの投球だった。8安打を許し3者凡退は3回の1度だけ。「すごい良かったとは言えないけど、何とか粘れた」。苦しみながらの6回2失点は、初の2桁星となって報われた。

 前回22日の巨人戦は3回途中7失点で降板。弱腰の投球に終始した点を反省し、この日は気合から違った。3―1の5回は1死三塁から近本に中前適時打を許し、二盗を決められ1死二塁。ここから中野を左飛、マルテを空振り三振に仕留めると思い切り右拳を握って大声で叫んだ。6回1死満塁では梅野を一邪飛、代打原口を中飛に抑えた。強気で押す「らしさ」が戻った。

 「あそこ(6回)は逃げる投球をせずに、ゾーンで勝負するつもりだった。結果、0点に終わって良かった」

 先発で1年間完走して飛躍した昨季、グラブに小さな変更点があった。5本の指を一つずつの穴に収めるのではなく、左端のスポットに薬指と小指を同時に入れる特殊な形を採用したのだ。「左腕を縦気味に動かすのが僕のフォーム。左端に2本入れるとグラブをより縦に折ることができるから、体をより縦に振りやすくなった」。

 飛躍のアイテムを教えてくれたのは、昨季途中まで広島に在籍したDJ・ジョンソン。今季から楽天に戻った田中将らも使っており「米国で使っている人は結構多いよ」と話した助っ人のグラブを使用。自分の投球フォームにも合うと考え、自分用に発注した。昨季から150キロに迫るきれいな縦回転の直球が増え始めたのは、微妙に変わったグラブの力もあった。

 17年の9勝から、あと一歩届かなかった「大台」にようやく達したが、佐々岡監督から「遅いぐらい」と、さらなる飛躍を期待された。「10勝できたことはうれしいけど、本当に野手の方に助けてもらってきた。また一つ一つ勝っていきたい」。最多勝争いに加わる勝利も、ただの通過点になるほどにたくましくなった。(河合 洋介)

続きを表示

この記事のフォト

2021年9月30日のニュース