大谷「勝ちたい」発言でエンゼルス改革論争 地元紙は「改善できなければ、彼は去る」

[ 2021年9月30日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス2ー5レンジャーズ ( 2021年9月28日    アーリントン )

<レンジャーズ・エンゼルス>3回1死、大谷は遊直に倒れる(撮影・沢田 明徳)
Photo By スポニチ

 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が28日(日本時間29日)、レンジャーズ戦に「2番・DH」で出場し、3打数無安打でチームも敗れた。6試合連続で本塁打は出なかったが、地元メディアは本塁打王争い以上に大谷発言について注目。26日(同27日)の、FAとなる23年オフの去就に絡んだ「勝ちたい気持ちが強い」という発言を受けて、エ軍の強化策への議論が活発化した。

 地元紙ロサンゼルス・タイムズが、センセーショナルな見出しを打った。「大谷は明確にした。エンゼルスを改善できなければ、彼は去る」。大谷が残したチームへの思いを、地元メディアも後押しした。

 大谷は26日(同27日)、エ軍への愛着を語る一方で「それ以上に勝ちたい気持ちが強い。プレーヤーとしてはそれの方が正しい」と発言。これを受け、23年まで大谷の保有権を持つチームの改革論が、米メディアでも勃発した。当日、ロサンゼルス・タイムズ紙は「エンゼルスが大谷に警告された」とするなど、7年連続プレーオフ進出を逃す現状打破への大谷の思いを支持。この日のレ軍戦前には、球団トップが緊急対応した。

 囲まれたペリー・ミナシアンGMは「彼が勝ちたいと思ってくれるのはうれしい。これは私たちの未来にとって良い兆候だ」と前向きだったが、報道陣は矢継ぎ早に補強、編成について質問。「質の高い選手を加えることがこのオフシーズンはとても重要になる」という答えには、切迫感はなかった。大リーグ公式サイトが選ぶ「ファーム・システム・ランキング」で今季のエ軍は全体25位。若手有望株は少なく、大谷在籍中のプレーオフ進出には、今オフの補強成功が最重要課題。主砲トラウトも25日(同26日)に補強を訴えていた。

 ジョー・マドン監督にも質問が相次いだが「勝ちたいことやチームへの愛着を伝えたかったと思う。みんな同じように感じている」と大谷の気持ちに寄り添った。チームを愛するがゆえの発言。プレー同様、注目を集めている。(柳原 直之)

 ▽26日の大谷発言 マリナーズ戦での二刀流出場後、エ軍に愛着があるとした上で「それ以上に勝ちたい気持ちが強い。プレーヤーとしてはそれの方が正しい」とした。7年連続プレーオフを逃している現状については「このままでは勝てないんじゃないかな」とキッパリ。「もっともっとヒリヒリする9月を過ごしたい。来年以降そうなるように願っている」と切実に訴え、勝てるようになるにはという質問には「それは自分というよりフロントや首脳陣の分野」と答えた。

続きを表示

2021年9月30日のニュース