金本知憲氏 阪神にとって大きな「遊撃・中野」の固定 一番の魅力は走力 近本とともにチームの強みに

[ 2021年9月28日 05:30 ]

阪神・中野の一番の魅力は走力
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 【金本知憲 虎への金言】シーズン終盤を迎えて新人の中野の貢献が光る。今回の巨人3連戦でも初戦の9回に好守。2戦目は8回に二塁打を打ち、勝負を決める大きな追加点を挙げた。追い込まれてから菅野のフォークに対応。1年目から、これだけやってくれたら十分だ。ドラフトは6位指名。本当にいいドラフトをしたと改めて感じる。

 東北福祉大の後輩。一番の魅力は走力があること。打撃は内角球の打ち方がうまく、速い球で攻められても対応できる。守備でもスローイングも安定していて、悪送球がほとんどない。ベンチとしては安心して使える。

 遊撃手を固定できたことがチームとして非常に大きい。監督だった3年間を振り返れば、鳥谷の後は候補に挙がる選手はいたけど、なかなか遊撃手を1人に固定できずに苦労した。

 レギュラーの選手に走力がないと、足を使った野球はなかなかできない。中野はリーグトップの24盗塁。9月は2盗塁で、数字だけならペースが落ちているように見えるが、それだけ相手から警戒されているとも言える。一塁に出ればバッテリーは相当に気を使っている。投手はクイックを意識し過ぎると球威も落ちるし、速球が増えれば、打者も狙いを絞りやすい。近本も同様だ。1、2番に並ぶ2人がチームの強みになりつつある。

 大山も9月は巨人戦での活躍が印象的だった。甲子園でも東京ドームでも効果的な本塁打を打った。もともと速球に強かったが、内角速球を打てるようになってきた。ヤマを張って打つタイプではない。積極的に打ちにいく中で内角を突かれても反応できている。

 直接対決で巨人を4ゲーム差に突き放しても、まだ脱落したとは思わない。底力のあるチームだから。ヤクルトとの三つどもえは最後まで続くのでは。

 引退を決めた桑原からは連絡をもらった。やり切った気持ちがあったようだ。監督時代にセットアッパーで起用したことを感謝してくれていたが、頑張ったのは、桑原本人だ。あの“真っスラ”は打てないと思ったから使った。期待通り、特に2017年はフル回転して、タイトルも獲得。よく投げてくれた。本当にお疲れさま、と伝えた。

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