阪神・西純 満塁弾浴びたが残った! 矢野監督「もうちょっと見てみたい」 先発は残り1枠

[ 2021年3月10日 05:30 ]

オープン戦   阪神6ー4広島 ( 2021年3月9日    甲子園 )

<阪神>3回、クロンに満塁弾を打たれ、打球を見送る西純 (撮影・平嶋 理子)                                             
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 阪神の西純は、最後の1球に力を込めた。5回2死二、三塁。打席は3回にグランドスラムを許したクロン。失敗は繰り返さない。フルカウントから選択した106球目のスライダーが外角に決まり空振り三振を奪った。リベンジ成功。雄たけびが飛び出た。

 「一番やっちゃいけない形でのホームランだった。力勝負に行って、ストライクゾーンに甘く入った。もっと意識を持ってやらないと、というのが反省点です」

 改めて、一球の怖さを知った。3回2死無走者から、ピンチに陥る。菊池涼の左前打、そして鈴木誠、松山に連続四球で満塁から、クロンに高め直球を左中間スタンドに運ばれた。ひと振りで4点。苦い残像が、西純の頭に焼き付いていた。

 5回6安打4失点。登板後は試合を見ながら、ベンチで“矢野教室”を受講した。野村監督や星野監督から受けたのと同じように、指揮官は課題を整理し2年目右腕に伝えた。「やっちゃいけないじゃなく、どうやるか。どんな言葉が彼に残ったかだけど、レベルアップはしている。もうちょっと見てみたい、とオレの中では評価している」と矢野監督は期待をつなげた。

 甲子園では昨年6月24日のウエスタン・リーグ、オリックス戦で中継ぎ登板し「プロ初勝利」を挙げている。岡山・創志学園時代の熱投も忘れられない。チームの本拠地初戦、しかも有観客。「初回はすごく緊張した」というマウンドで、無死一、二塁から鈴木誠をフォークで見逃し三振に取ると、5回無死二、三塁でもフォークで空振り三振。「球界を代表する強打者で力は入ったけど、粘って投げることができた」と収穫も手にした。

 開幕ローテーションは事実上、残り1枠。ガンケル、伊藤将らとの争いは続く。「最後まで諦めずに食らいついていきたい」。逆転で勝利投手。勝ち運は持っている。 (鈴木 光)

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2021年3月10日のニュース