ソフトB・周東、「つなぐ意識で」1号V弾 工藤監督「走るだけでない部分も期待」

[ 2021年3月10日 05:30 ]

オープン戦   ソフトバンク5―3巨人 ( 2021年3月9日    ペイペイD )

<ソ・巨>6回、右中間に2ランを放つ周東(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの周東佑京内野手(25)が9日、ペイペイドームでの巨人戦に「1番二塁」で出場し、右中間へオープン戦1号となる決勝2ランを放った。2回にも中犠飛で打点を挙げ、二塁手の開幕スタメンへ猛アピールした。チームは昨年、一昨年の日本シリーズで巨人にストレート勝ち。19年交流戦の6月23日の勝利から公式戦とオープン戦で巨人戦“12連勝”を飾った。

 正二塁手は譲らない。3―3の6回1死一塁。周東が高めに浮いた巨人ドラフト1位・平内の146キロ直球を完璧に捉え、右中間のテラス席に運んだ。今季対外試合1号となる決勝の2点本塁打だ。
 「なかなか練習でもあそこまで飛ばない。頼むから外野は越えてくれという思いだった。つなぐ意識で打席に入った結果、最高の形になりました」

 危機感は感じている。試合前までオープン戦通算14打数2安打、打率・143と絶不調。「打てていないし、塁にも出られていない。そうなると使われない。牧原さんもヒットを打っているし、三森も結果を出す日がある。まだまだアピールしないといけない立場」。ライバルの明石、三森、牧原大、川島らと二塁手を争うが試合を決めた一発のインパクトは特大だ。2回には1死二、三塁で中犠飛も放ち、3打点をマーク。勝負強さも出てきた。

 汚名返上でもあった。2回1死満塁の守りで併殺打かと思われた二塁へのゴロでファンブル。失策は記録されなかったが、失点につながっていた。それでも打席では切り替え、負の連鎖はなかった。

 宮崎春季キャンプは右肩の違和感でB組スタート。若手内野手がA組でアピールを続ける中、焦りはあった。肩は万全ではないが、「二塁手のレギュラー争いで競いたい」と工藤監督に直訴し、A組に合流。その後、2月の練習試合から、ここまで先発した9試合全て「1番・二塁」で起用。1番にこだわっている工藤監督は「投手の動揺を誘ってゲームを動かせる。走るだけでない部分も期待をしている。試合を決めるホームランはベンチが盛り上がっていいね」と笑顔でヒーローを称えた。

 「1本のホームランより、2打席出塁している方が得点につながることの方が役割として大きい。どう塁に出られるかを突き詰めてていかないと」。一発に満足することはない。正二塁手、不動の1番へ。求められる役割を誰よりも知っている。

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