“9回、ピッチャー、藤川” 阪神・矢野監督 「最後で」起用明言 守護神で引退へ

[ 2020年11月10日 05:30 ]

<阪神 全体練習> 能見(左)と記念撮影する藤川 (撮影・平嶋 理子)                                                          
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 阪神・矢野燿大監督(51)が9日、10日の巨人戦では藤川を守護神として起用することを明言した。現役時代はバッテリーを組んだ間柄。火の玉ストッパーのすべてを知る指揮官が、レジェンド右腕に最後の花道を演出する。

 矢野監督にとっても大切な一日となる。10日は藤川にとって最後の試合。就任以来ぶれることなく勝利を狙う姿勢を崩すことはなかったが、7日に2位を確定したこともあり「11・10」だけは特別な一戦と位置づけた。

 「来季に向けてというのも、もちろんある。もちろん、(最後まであきらめない姿勢を見せることも)そうなんだけど。球児のこともあるというか。そこに集中というか、向かっていける環境をみんながつくってくれた」

 指揮官として勝って球児を送り出すことは当然でも、その立場を超えた戦友でもある。「ピッチャーならみんなが球児にあこがれる。そのピッチャーを受けていたのもオレの自慢」。現役時代はプライベートでも野球を語り合った。捕手としては誰よりも多く「火の玉ストレート」を受けてきた。

 「球児がまだ芽が出ない時からいっしょにやっていた。苦しんでいるときから一緒にというか、見てきた。代わりのいないピッチャー。球児しかできないことをやってきた」

 前夜にはリーグ優勝を果たした05年に撮影した当時の写真を見て感慨にひたった。伝説の「JFK」と一緒に撮った記念の1枚。「俺も若いし、球児も若い。これから、いろんな伝説ってあると思うけど、JFKって強烈な伝説として残っていく。その中の中心にいたのが球児」。残した功績の大きさを称えるべく、指揮官は慣れ親しんだ定位置で送り出すことを明言した。

 「最後で(起用する)。いい形で勝ってる場面とか緊張感のある場面とかになるかもしれないけど。そこは別格なんじゃないの」

 最後の瞬間はファンと同じ感覚で、勇姿を目に焼き付けようとしていた。残された最後の舞台。別れの訪れを惜しむように、監督就任後初めて自らマウンドに向かい背番号22を出迎える。(山本 浩之)

 ▼阪神・金村投手コーチ(藤川への思いは)僕が教わることばっかりで、これだけのすごい選手と一緒にやれたことを誇りに思います。コーチ時代も含めて勉強になった印象があります。

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2020年11月10日のニュース