【新外国人チェック パ・リーグ】“ステ~キな兄貴”オリ・ジョーンズ 外野手会でナインの心つかむ

[ 2020年2月18日 07:00 ]

オリックス・ジョーンズ
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 16日にオープン戦が開幕したプロ野球。スポニチのプロ野球取材班が、各球団の新助っ人の調整ぶり、チームへの溶け込みぶりなどをチェックした。目立ったのは、メジャー通算282本塁打を誇るオリックスのアダム・ジョーンズ外野手(34)だった。

【オリックス】
 第2クール中の今月8日。オリックスの宮崎キャンプで、ジョーンズが何とも豪華な「外野手会」を開いた。場所は同市内の高級ステーキ店。選手9人に加えて球団スタッフ、オーディー夫人ら、計十数人が参加した。

 「野球のことだけでなく、球場外で家族の話とかもできた。グラウンドを離れても楽しい時間を過ごせたよ」

 宮崎牛ヒレステーキや伊勢エビなどのごちそうがズラリ。総額数十万円の食事代を、ジョーンズがカードでポンと支払ったという。

 それだけではない。ジョーンズは若手選手の質問に、食事の手を止めて一つ一つ丁寧に回答した。スイングの動画チェックを懇願した杉本には「下半身はうまく使えているね」と称賛。レジの前で実演指導も行った。パワーを売りに1軍定着を目指す「ラオウ」こと杉本は「外国人打者のイメージって、自分のことだけやっていればいいや、みたいな感じだったけど、本当にナイスガイですよ」と感激。主砲の吉田正も「本当に楽しい時間でした」と振り返った。

 好影響は、これだけにとどまらない。練習で一緒のグループになることが多い、来日3年目のモヤは「メジャーで10年以上もやってきた実績がある。その経験を少しずつ、近くで見させてもらっているよ」。ブルペンでジョーンズが目慣らしのために何度か打席に立った4年目右腕・沢田は「反応を聞きたい。ちゃんと真っスラが動いていたかどうかとか、変化球はどうだったかとか」と「ジョーンズ塾」を志願した。

 2~3時間の食事会で、ジョーンズは「自分のことはどうでもいい、優勝したいんだ」と何度も繰り返したという。オリオールズ時代には14年に地区優勝を経験したがリーグ優勝は果たせていない。オリックスも96年を最後に12球団で最もリーグ優勝から遠ざかる。悲願に向け、プレー以外でもチームを引っ張る大物助っ人から目が離せない。(湯澤 涼)

【楽天】
 最速158キロ右腕のシャギワは、既にフリー打撃に2度登板。日を追うごとに球速も制球力も上がっている。右の大砲のロメロもチームに合流し、調整のピッチを上げていく。

 楽天の新助っ人右腕・シャギワが2度目のフリー打撃に登板した。辰己と小郷に計30球を投げて安打性の当たりをわずか1本に抑える好投を披露。気温14度で強風が吹くコンディションの中、最速は150キロを計測。速球にスライダーとチェンジアップをコースに投げ分け「チェンジアップも良い球があったし、自信を持って投げられた」と納得顔だった。

 特に左打者の外角に逃げる軌道のツーシームの制球力が光り、視察に訪れたロッテ・八島祥司スコアラーは「外角にしっかり制球できていた。ゆったりしたフォームから速い球を投げる。日本の野球に対応できそうだなと感じた」と警戒した。クローザー候補の一人で、20日の阪神との練習試合で実戦デビューが予定されている。(重光 晋太郎)

【西武】
 西武に加入した右腕ギャレット(レンジャーズ傘下3A)が紅白戦に2番手で登板し、3回の1イニングを1安打1四球、1失点ながら自責点は0に抑えた。最速155キロをマークし、アウトは全て三振で奪った。「最初にしてはいい出来だった。今は85%くらい。これからもっと球速も出てくると思う」と話した。勝利の方程式への期待がかかる新戦力。辻監督は「この寒さで155キロ。変化球の制球もあったし、戦力になってもらわないと困る」と話した。

 ○…1番打者候補のスパンジェンバーグは、三塁、左翼両にらみで順調にキャンプを消化している。左腕のノリンは、13日の紅白戦で2回2失点。緩急が武器も制球の甘さが課題。

【ソフトバンク】
 メジャー通算54勝の左腕ムーアは16日の初ブルペンで多彩な変化球を披露し先発ローテーション入りへ調整は順調。バレンティンは13日から実戦に出場し打席数を重ねている。

【ロッテ】
 ジャクソンは13日に左大腿二頭筋肉離れで離脱し全治4週間と開幕ピンチ。ハーマンも現在は2軍で調整中。育成のサントスは14日の広島戦で1イニング5四死球の乱調で2軍降格。

【日本ハム】
 先発候補のバーヘイゲンは第1クールからブルペン入りし、順調に調整。18日のサムスン戦で実戦初先発。ビヤヌエバは15日の紅白戦が初実戦で順調に調整を進める。

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