オリックス 伝統を破る2軍大改革見守るキャンプの真意

[ 2019年2月6日 09:00 ]

 オリックスの2軍が大改革を始めている。第1クールは、午後3時を超えたらコーチは見ているだけの方針を貫いた。その意図を中嶋聡2軍監督が説明した。

 「やらされる練習より、自分で考えてやる練習の方が選手には身につくと思う。自分に何が足りないか。どんな練習が必要か。自分で考えてほしいからです」

 打撃を集中的に行う特打や、守備練習の特守など、個別練習などは必要最小限。あとは選手の自主性に任せている。そのため練習メニュー表も、午後3時を過ぎるとほぼ白紙状態。早朝の早出練習も選手の自由だ。当初は不安にかられながら、マシン打撃を行う選手もいたという。本当に何をすべきか、よく分からない。選手からの要望がなければ、コーチは指導せず、球場を引き揚げる。これまで行われてきた夜間練習も基本は廃止し、希望する選手のみが自由にやる方針。同2軍監督は「決まった練習メニューだげをやると、コーチの良さも消してしまう。まずは、選手を見て、コミュニケーションを取ってほしい。選手も、次の日のためにという考え方もある。早く来て、こういう練習をしたいとか、色々考えて、準備の大切さも理解してほしい」と自主性を重んじた。

 第1クールは、投手にあるノルマを課した。各投手ごとに球数を設定し、それ以上投げてはいけない。球数の中で集中して投げる意識を持たせている。連投も禁止。ある選手は「すごく新鮮だし、考えることの重要性を学ばせてもらっています」と、目からうろこが落ちた。1軍選手の中には「2軍の選手の目がキラキラしている」と、ある意味で危機感を覚えた。チームの活性化につながっているようだ。

 4日には象徴的な出来事があった。1軍は日が暮れるまで練習したが、2軍は昼過ぎに早々に球場を引き揚げた。宿舎に戻って行われたのは、首脳陣と全選手の面談だ。「お前は、どんな選手になりたい? なら、どんな練習が必要だと思う?」。選手も自分の意見をぶつけた。そんなやりとりを綿密に行い、各選手ごとに方向性を確かめた。7日から始まる第2クールからは多少の変化があるようだが、基本的には選手の自主的を尊重し、コーチ陣から強制的にやらせることはしない。

 ウオーミングアップにも差が出ている。1軍は1時間以上かけることもある。2軍は30分以内で終わる。必要な動きを効率よく行えば、それでも問題ない。加えて、他の練習時間に当てられるという利点が生じる。正直、どちらが良いか、という答えは難しい。ただ、通常は「1軍は自主性、2軍は猛練習」のイメージだが、オリックスは全くの逆。長い時間をかけてでも、本気で育成を考えるからこそ、2軍選手も大人扱いしている。

 今季から2軍には、前監督の福良淳一育成統括ゼネラルマネージャー(GM)がバックアップするため目を光らせている。また、日本ハムでダルビッシュや大谷を指導した中垣征一郎育成統括GM補佐兼パフォーマンス・ディレクターが、綿密な練習方針を浸透させようと動いている。「1軍と2軍は別の球団みたい」と球団関係者が驚く大改革の第一歩。中嶋2軍監督は「それがプロでしょ」と、強い信念と覚悟を持ち選手を見守っている。

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