巨人 ドラ1高橋“初実戦”衝撃デビュー「東北の奪三振王」プロでも!!

[ 2019年2月6日 05:30 ]

一カ所バッティングでシンカーを披露した高橋(撮影・森沢裕)
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 プロでも「ドクターK」だ。巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22=八戸学院大)が5日、シート打撃に登板した。プロ入り後初の実戦形式で、主力打者7人に3三振を奪う衝撃デビューを飾った。北東北大学リーグの奪三振記録を持つ即戦力左腕。宮本投手総合コーチから、日米通算93勝をマークした球団OBの同姓左腕・高橋尚成よりも上と評価された。

 動悸(どうき)が速くなる。素振りをしながら待つ打者に、高橋は緊張が高まった。「テレビで見ていて凄いなという選手。楽しんでやろう」。切り替え、初めての実戦形式のマウンドに走った。

 打者有利の1ボールからスタートするシート打撃。最初の奪三振は陽岱鋼(ヨウダイカン)だ。外角直球の直後、スクリューボールを投じた。腕の振り、軌道も同じだが、打者の手元で急ブレーキがかかり、外角に逃げる。空振り三振。同球種の使い手でプロ1年目の00年に9勝をマークした高橋尚を引き合いに、宮本コーチを「真っすぐの勢いがあるし、尚成より上」と喜ばせた。

 さらに首脳陣を「カミソリ」と驚かせたのがスライダーだ。左打者の外に、直球の軌道から鋭く逃げる。陽岱鋼に続いて阿部のバットも空を斬った。連続三振だ。プロ入り後にフォームを2段モーションに変更したことで、直球の勢いも増した。「変化球は真っすぐが投げられないと生きてこない」という考えからだ。

 同学年の若き4番・岡本には外角低めにスクリューで見逃し三振を奪った。坂本勇には中前打を許したが打者7人に27球を投じて、1安打1四球3奪三振。宮本コーチは「“先発ロー”まできてる。あとは“テーション”次第。2桁勝てる」。独特の表現で開幕ローテーション入りに大きく前進したことを示した。

 右打者と左打者に、それぞれ武器があるから三振を量産できる。東海大菅生2年の時にスクリュー習得に乗り出した。切れのある変化球を駆使する先発を理想とした。八戸学院大に進学し、富士大時代の西武・多和田が持っていた北東北大学リーグ記録を更新する301奪三振を積み上げたが、手応えをつかんだのは4年秋。この日の投球をスタンドで見守った正村公弘監督のアドバイスで、テークバックを小さくしたことで制球が安定した。

 2年連続MVPの左打者の丸も、スライダーで一ゴロに仕留めた。「初めてのことばかりで、緊張ばかり。まだなじめてないけど磨きをかけていきたい」。即戦力左腕のデビュー戦は10日の紅白戦先発に決まった。(青森 正宣)

 【高橋 優貴(たかはし・ゆうき)】

 ★生年月日 1997年(平9)2月1日生まれ、茨城県ひたちなか市出身の22歳。

 ★サイズ&投打 1メートル78、82キロ。左投げ左打ち。

 ★球歴 小3から野球を始める。中学時は友部シニアでプレーし、東海大菅生、八戸学院大に進学。甲子園、明治神宮大会出場はならず、全国経験なし。

 ★球種 ストレート、スライダー、カーブ、スクリュー。直球の最速は152キロ。

 ★休日の過ごし方 自主練や体のケア、ドラマ観賞。

 ★好きな食べ物 寿司。特に貝類の食感が好き。

 ★特技 習字。小学時に習字教室に通う。左投げだが、書くのは右手。

 ★好きな女優 吉高由里子。

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2019年2月6日のニュース