CS敗退の巨人 来季へ田口に光明、夏2カ月“地獄”の2軍生活が糧に

[ 2018年10月25日 11:00 ]

CSファイナルステージで6回1失点の好投を見せた巨人・田口
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 CSファイナルステージで広島に3連敗した巨人だが、来季へ向けて光明もあった。2戦目で好投した田口の復活だ。強力打線相手に6回1安打無失点。「持っている力をたくさん出せた。大事な試合で自分の思ったところに投げられたのは1つの糧になる」とうなずいた。

 16年、17年と2年連続で2桁勝利をマーク。先発ローテーションの柱として期待された今季は安定感に欠き、7月上旬に2軍落ち。ターニー2軍トレーニングコーチと二人三脚のトレーニングが始まった。筋力、瞬発力、体幹を鍛えるメニューをそれぞれ週に2回ずつ計6回。「彼の長所は馬力、力強さ、キレ。長所をもう一度伸ばすためのメニューをつくった」と同コーチ。自主的に休日も返上した。8月のある日。アラームはかけなかったが、朝6時に自然と目は覚めた。2軍は週に一度の休養日。静まりかえるジャイアンツ球場で一人、黙々と汗を流した。

 走り込みも行った。10〜50メートルほどの短距離ダッシュを繰り返した。テーマは「反復」。坂ダッシュや階段ダッシュで負荷をかけ続けた。左腕が「充実していた。でも地獄だった」と振り返る約2カ月間の2軍生活はパフォーマンス向上につながった。球のキレがよくなり、いい当たりをされても野手の正面に飛び、打ち取るケースが増えた。また、体幹が安定し、試合中に意図を持ってフォームの変化をつけられるようになった。

 8月下旬に1軍昇格。勝ち星はつかなかったが、アピールを続けた。8日のフェニックス・リーグ、中日戦では5回無失点と好投。CSの先発の座をつかんだ。6回でわずか67球。交代を告げられたが完封ペースの快投だった。「こういうピッチングをシーズン通してしないといけない。もっとレベルアップしていきたい」と田口。2勝8敗、防御率4・80に終わった悔しさは誰よりも本人が感じている。来季は完全復活、いやさらにパワーアップした姿を見せてくれるはずだ。(記者コラム・岡村 幸治)

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2018年10月25日のニュース