阪神早くも“矢野色”浸透 清水ヘッドが罰則設定「1球目の大事さ意識付ける」

[ 2018年10月25日 05:30 ]

笑顔で練習を見つめる清水ヘッドコーチ(撮影・奥 調)
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 阪神は24日、甲子園球場での秋季練習で早速「矢野流」の練習を取り入れた。ドラフト前日会議に出席するため不在だった矢野燿大監督(49)の代役を務めた清水雅治ヘッドコーチ(54)がフリー打撃の初球に打ち損じた場合、その場でスクワットさせる“罰則”を設定。積極性と1球への集中力を重視する新監督の色を前面に打ち出した。

 緑色のバッティングケージの中で選手たちが何度もスクワットを繰り返した。珍しい光景が見られたのが秋季練習2日目のフリー打撃だ。不在だった矢野監督の代役を務めた清水ヘッドコーチの下、早速“矢野色”を出した練習が行われた。

 「監督が1球目からフルスイングできるようにしようと2軍の時から言っていたらしいのでね。1球目の大事さです。わざとプレッシャーをかけた方がいいのかなと」

 新監督の強い希望でタテジマに袖を通した新ヘッドがニヤリと笑った。各選手にフリー打撃の初球をフルスイングするように指令。ファウルになったり凡打した場合は、その場で5回のスクワットが課された。次の球も打ち損じればさらに5回。安打性が出るまで“罰則”が繰り返された。3球連続で失敗した中谷は「新鮮でした。楽しかったです」と前向きに話したが、ミスショットする度に思わず天を仰いだ。

 狙いは明確だ。「監督は“とにかく1球目を大事に”という話をされる。その意識付け。(実戦想定?)結局はそうなる。ちょっとプレッシャーをかけることで練習内容も変わる。選手、コーチの視点をちょっとだけ変えたいかなと思って」。矢野監督が2軍監督の時から掲げていた「超積極」に呼応。さらに、打ち直しができない本番を想定し、1球を大事にする意識を練習から植え付ける考えを強調した。

 打撃だけでなく、ノックでも最初の1球を重視。投手コーチやスタッフにも積極的に話しかけるなど、精力的に動き回った。中日の現役時代に苦楽をともにした矢野監督とは野球観は通じている。そこにパ・リーグ4球団で16年間コーチを務めた自身の味をプラス。アグレッシブで実戦的な、中身の濃い秋季練習を目指す。 (山添 晴治)

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2018年10月25日のニュース