倉敷商・引地 楽天と“赤い糸” 先輩・星野さんに「近付いて、抜けるような投手に」

[ 2018年10月25日 20:08 ]

楽天からドラフト3位指名され、満面の笑みを見せる倉敷商・引地
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 プロ野球のドラフト会議は25日に東京都内で開催され、倉敷商の引地秀一郎投手(18)は楽天から3位で指名された。

 落ち着かなかった。3位の最後で名前が呼び上げられると、引地の硬かった表情は一気にほころんだ。

 「ホッとしました。大丈夫かな…と思っていましたので」

 5位以下の指名なら社会人野球に進むと決めていた。1メートル88の長身から最速151キロ直球を投げ下ろす素質十分の右腕は、自信を胸にプロの世界に飛び込むつもりだ。

 威力ある直球、さらに闘志を前面に押し出すスタイルに付いた異名は「星野二世」。母校・倉敷商の大先輩で今年1月に死去した星野仙一氏(享年70)は引地の憧れの、そして目標の存在だ。

 「まだまだ、全然です。プロに入って、少しでも近付いて、抜けるような投手になりたいです」

 岡山市内に自宅があり、小、中学時は自転車で約20分程度の倉敷マスカットスタジアムまで楽天の秋季キャンプを見学しに行った。印象に残っているのは当時、監督だった星野氏。遠くから眺めているだけだったが「情熱が凄い方でした」と脳裏に焼き付いている。「プロを見る機会があまりないので、身近な存在」だった楽天と赤い糸はつながっていた。

 根尾、藤原(ともに大阪桐蔭)、小園(報徳学園)と高校生野手がドラフト1位で重複指名された。同い年の選手に当然、ライバル意識はある。「僕は甲子園にも出ていなし、現時点では完全に負けているし、劣っている。プロに入って、しっかりと頑張って抜かしていきたい」と熱い思いを口にした。

 同校にとって、創部86年目で初めて高校から直接プロに指名された選手となった。通算146勝の星野氏は明大を、同191勝の松岡弘氏は三菱重工水島を経て、プロ入りした。大先輩とは違う経路で憧れの世界にたどり着いた右腕。伸びしろは無限大だ。

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2018年10月25日のニュース