阪神・大山 プロ初2発 甲子園では昨年4月北條以来

[ 2018年9月12日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6―7中日 ( 2018年9月11日    甲子園 )

<神・中>7回無死、左越えにソロアーチを放つ大山  (撮影・成瀬 徹)
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 勝っていれば確実だったヒーローインタビューも幻に終わった。自身初となる1試合2本塁打も、称賛の声は最後まで聞かれず。敗戦に肩を落とした阪神・大山が残した一言がすべてを物語っていた。

 「勝ち負けがすべて。(9回2死から左飛に終わった)最終回に(塁に)出られなかった。そこがすべてだと思う」

 逃げていった白星の大きさを痛感したが、秋空に描いた2本の放物線は虎党の目に焼き付いたはずだ。まずは3点を追う4回。先頭で打席に入ると、ここまで3勝を献上していた中日先発ガルシアの初球シュートをジャストミート。迷いなく振り抜いた一撃は左中間スタンドに消えた。5日の広島戦以来となるアーチは2回の第1打席で受けた死球への“お返し”といわんばかりの反撃を呼ぶ4号ソロだった。

 持ち味の長打力を発揮すると、続く5回は無死一塁から三塁線に相手バッテリーはもちろん、金本監督ら阪神ベンチも驚く!?三塁線へのセーフティーバント(記録は捕手へのバント安打)を成功させた。大技、小技を披露すると、同点で迎えた7回無死で再び大飛球が飛び出した。カウント3ボール1ストライクから福谷の甘い151キロ直球を見逃さずにフルスイングした一打は左翼席に着弾する、一時勝ち越しの5号ソロ。今季4度目の猛打賞も記録した。

 2年目の今季は開幕スタメンに名を連ねたが、打撃不振で6月22日に出場選手登録を抹消された。昨年6月18日の初昇格後、初の2軍落ちだった。矛先は金本監督や首脳陣にも向けられ、周囲から「若手が育っていない」の声も聞かれた。

 それでも、7月3日に再昇格後は再び先発出場が増え、9月は7試合で早くも3本塁打。福留が負傷交代し、今日以降の出場が微妙な中、若き大砲が猛虎に希望の光を灯(とも)し続ける。(山本 浩之)

 ≪昨年4月9日巨人戦の北條以来≫大山(神)が4、7回にソロを放ち、初の1試合2発。今季は本塁打を放った試合に3戦3勝だったが、初の黒星となった。阪神の選手が甲子園で1試合2本塁打は、昨年4月9日巨人戦の北條以来。

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