松井氏 始球式に母校・星稜勝って校歌熱唱「これ以上ない一日」

[ 2018年8月6日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第1日・1回戦   星稜9―4藤蔭 ( 2018年8月5日    甲子園 )

<星稜・藤蔭>星稜が勝利し、周囲が注目する中で校歌を歌う松井氏(左)(撮影・近藤 大暉)
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 万感の熱唱――。全国高校野球選手権が5日、甲子園球場で開幕。第100回大会を記念して連日行われる「レジェンド始球式」のトップバッターとして、巨人、ヤンキースなどで活躍した星稜(石川)OBの松井秀喜氏(44)が登場した。直後の開幕戦では母校が藤蔭(大分)に快勝。聖地で伝説を残した「ゴジラ」はバックネット裏で見届け、直立不動の姿勢で校歌を歌い上げた。

 自然と背筋がピンと伸びた。「今黎明(れいめい)の、加賀の空〜♪」。歌詞が自然と口から出てくる。松井氏は本塁付近に整列した後輩の背中を見ながら、一緒に校歌を熱唱した。自身が見守った試合で母校・星稜が快勝。アルプススタンドには同期の仲間もいた。浜風に乗せて、夏空に向かって思う存分、声を出した。

 「自分と全く同じ黄色いユニホームを着てプレーする後輩たちを見られて、しかも勝って、一緒に校歌を歌うことができて幸せです。これ以上ない一日になった」

 100回目の夏の甲子園。訪問は13年の開幕日以来5年ぶりだが、不思議な運命の糸に導かれて校歌を熱唱できた。「レジェンド始球式」のトップバッター。開幕戦の前に白いポロシャツ姿でマウンドに立った。バックでは後輩たちが守っていた。組み合わせ抽選で星稜が開幕戦を引き当てた奇跡。93年の卒業後、初めて母校の公式戦を観戦した松井氏は「本当に驚いた。誰かが仕組んだんじゃないのかな」と笑った。

 「特別な機会。後輩たちとあそこで一緒になれて…。なんか、夢のようです」。星稜・竹谷理央主将は試合前のじゃんけんに勝ち「監督から“後攻を取れ”と言われていた」と、始球式を行う偉大な先輩のバックを守ることを迷わず選択した。これ以上ない、夢のような舞台。しかし松井氏がノーワインドアップから思い切り投げ込んだ投球は、外角へまさかのワンバウンド。マウンド上で思わず頭を抱えると、スタンドは笑いに包まれた。

 「練習ではいいボールがいっていた。後輩なんで暴投でも大丈夫と遠慮なく投げた。ど真ん中にいく予定だったのに…。この年になって甲子園の魔物に襲われました」

 前夜は星稜OBの同期会が行われ、昔話に花を咲かせた。高3だった92年夏は、5連続敬遠の末に敗れた8月16日の明徳義塾戦を最後に、甲子園を去った。あれから9485日。変わることのない夏の日に、後輩と一緒にグラウンドに立った。校歌を熱唱した。「甲子園は憧れだった。僕の野球人生の原点」と松井氏。恩師である星稜・山下智茂名誉監督にはこう漏らした。

 「今日は、野球人生の中で最高の一日です」と――。 (鈴木 勝巳)

 ▼星稜・山下智茂名誉監督 僕にとっても人生の中で最高の一日。松井が始球式をやってチームも勝ったし最高でした。(始球式は)力んでいましたね。まあ、松井らしくて良かったです。

 ☆星稜・松井の甲子園 全て4番として、夏は3度出場。1年時の90年2回戦、日大鶴ケ丘戦は無安打で初戦敗退した。初安打は2年時の91年2回戦、沼津戦。竜ケ崎一との3回戦では右翼へ初アーチを放ち、4強入りに貢献した。3年時の92年は明徳義塾との2回戦で5打席連続敬遠と徹底マークを受け、2―3と惜敗。夏の通算成績は7試合で22打数5安打6打点、1本塁打、9四球、打率.227。センバツは3年時に出場し、打率.600、3本塁打の活躍で8強入りした。

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