巨人・今村 落差57キロ幻惑 初完投初完封、99年上原以来無四球で達成

[ 2018年8月6日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―0中日 ( 2018年8月5日    ナゴヤD )

<中・巨>今季3勝目を挙げた今村(撮影・椎名 航)
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 4回には「86キロ」を計測した。最速143キロの直球と最大57キロ差のカーブだ。巨人・今村が緩急を駆使し、6安打でプロ初完投を初完封で飾った。

 「最高です。良いタイミングで使うことができました」

 今季5登板445球で、わずか8球だった同球種を6球も投じた。遅球で惑わせ内角直球で打球を詰まらせた。村田ヘッド兼バッテリーコーチが「直球と緩いカーブで大胆に攻めた」と称賛した投球術。9回2死から初めて連打を食らい、2死一、二塁としたが、最後はアルモンテを中飛に抑えた。121球。両手を突き上げ、捕手の小林と熱いハグを交わした。

 この日も当初は多投する予定がなかったカーブだが、状態の良さを見た小林が要所でサインを出した。「とにかく一人一人の打者と向き合って強気で攻めていこうと思った」と今村。攻めの中にカーブを組み込んだ。6球中、3球がストライクで1球がファウル。三塁すら踏ませることなく、巨人では99年上原以来となる無四球での初完封となった。

 後半戦は共に右腕の2本柱・菅野、山口俊が計1勝。後半戦9勝の中で内海、メルセデスら左腕が6勝と奮闘する。この日も過去6年間で6勝だった左腕の今村が今季3勝目を挙げ、前日浮上した2位を死守した。高橋監督は「(チームの)流れがいいような悪いような中で、今日の投球は大きかった。さらに一歩上に行ってくれたら」と期待した。

 24歳と伸びしろがある。「まだまだチームに貢献できていないので全力で一試合一試合頑張っていきたい」と謙虚に言った。気迫あふれるマウンドとの「緩急」も垣間見えた。 (岡村 幸治)

 ≪左腕組が後半戦復調≫今村(巨)が6安打無四死球でプロ入り初の完封勝利。巨人の投手でプロ初完封勝利を無四死球で飾ったのは99年9月14日中日戦で新人の上原が記録して以来19年ぶり。巨人は後半戦9勝9敗となったが、先発した左投手は9試合で6勝1敗、防御率1.54。前半戦は先発した左腕は10勝12敗と負け越し。防御率も4.11と苦戦したが後半戦は立て直しに成功している。

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