広島・菊池“定位置”2番復帰で大暴れ4安打「やるしかない」

[ 2018年8月6日 05:30 ]

セ・リーグ   広島6―5DeNA ( 2018年8月5日    横浜 )

<D・広>3回1死、菊池は右越えソロを放ちベンチのナインに迎えられる(撮影・三島 英忠)
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 広島・菊池涼介内野手(28)が5日のDeNA戦で今季初の4安打を放った。3回に11号を右越えに運ぶと、9回には中前適時打を放って2打点目を挙げて勝利に貢献。前日の8番から2番に戻り、意地を見せた。試合は延長10回の末に6―5で辛勝。中崎が今季初星を、3年目の高橋樹がプロ初セーブを挙げた。阪神が勝ったため、優勝マジック点灯は最短8日で「38」となった。

 敵地で延長10回の乱打戦を制し、帰りのバスへと急ぐ菊池に笑顔はなかった。左腕・今永対策のため一夜にして2番に戻り、今季初となる4安打2打点。勝利に貢献しても浮かれず、自らに言い聞かせるように言った。

 「今日だけじゃ意味がない。続けていかないと。序盤からチームに迷惑をかけているので、やるしかない」

 第1打席からバットに意地を込めた。初回に中前打を放つと、1―0の3回には鮮やかな一発。1ボールから今永の外角低め143キロ直球を右翼最前列へ運んだ。1日のヤクルト戦以来、4試合ぶりの11号ソロだった。

 「必死にいった。本塁打はたまたまです」

 5回に左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、サイクル安打に王手をかけて迎えた9回2死二塁での第5打席。4番手・パットンの外角低め141キロスライダーを中前へ運び、欲しかった5点目を叩き出した。

 プロ7年目。打撃不振のため、前日4日は862試合目で初めて8番に起用された。何しろ、16年には最多安打のタイトルを獲得した実力者だ。試合後は「何番でもやることは変わらない」と気丈に話したが、胸中は複雑だったに違いない。

 「ギリギリのところで、選手全員が今日の試合を勝つ気持ちを出してくれた」。ナインの奮闘に目を細める緒方監督。4安打の菊池には「昨日の今日で、吹っ切れたように大活躍してくれた。中心選手だし、週明けからも引っ張ってほしい」と称え、奮起を促した。

 阪神が勝ったため、優勝へのマジックナンバー点灯は昨季と球団最速で並ぶ最短8日。そうした状況で迎える7日からの本拠地6連戦。東出打撃コーチは打順について「固定観念はいらないと思う。状況を見て点が一番取れる打順を組みたい」と含みを持たせた。

 「自分ができることを、その日その日で一生懸命にやるだけ」

 菊池は言葉に力を込める。誇り高き背番号33。巻き返し、攻守でリーグ3連覇への貢献を強く誓っていた。(江尾 卓也)

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2018年8月6日のニュース