パ高セ低の交流戦で快進撃のヤクルト リーグ順位も急上昇中

[ 2018年6月8日 11:00 ]

<ヤ・ソ>10回2死満塁、サヨナラ四球に笑顔を見せる雄平らヤクルトナイン(撮影・白鳥 佳樹)
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 交流戦に入り、今年も「パ高セ低」が顕著だ。ここまでパが29勝、セが20勝。この影響を受け、セは3日から首位・広島を除く2位以下が借金生活という状況が続いている。2位以下は大混戦。7日は、順位がめまぐるしく入れ替わった。

 DeNA2位→4位

 巨  人3位→5位

 阪  神4位→2位

 ヤクルト5位→3位

 中  日6位→6位

 2位・阪神は借金2で、6位・中日は借金5。1・5ゲーム差に5球団がひしめき合い、今後も激しい順位変動を繰り返すだろう。首位の広島は貯金8。まだまだ安泰だが、交流戦では3勝5敗と負け越している。その交流戦で、セは目下7連勝中で単独首位に立つヤクルトを除けば、全て借金生活である。広島が交流戦で負けが込むと…。3年前の悪夢がよみがえる。

 15年の交流戦。セはパに44勝61敗3分けで大きく負け越した。「戦犯」となったのはDeNAだ。3勝14敗1分けで、交流戦史上最低勝率(・176)を記録。当時、指揮を執った中畑監督は「パ・リーグはパワーが違う。うちが言うんだから間違いない」と率直な感想を口にしていた。

 交流戦前は貯金10でリーグ首位に立っていたが、交流戦終了時は借金1で2位。首位の巨人でも、わずか貯金2だった。その影響が色濃く出てしまった。リーグ戦再開後は突出したチームがないことも重なり、史上初めて全チーム貯金なし。さらに、全チームオール借金という前代未聞の事態にまで陥った。

 その大混戦を制したのは、2年連続で最下位に沈んでいたヤクルト。最終的には貯金を11まで伸ばし、2位の巨人(貯金8)に競り勝った。今季はセの球団が苦しむ交流戦で快進撃。7連勝で借金も一気に3まで減らし、交流戦開始時の最下位から3位に浮上している。昨季は球団史上ワーストの96敗を喫して最下位に沈んでいるが、15年と同じように「最下位からの優勝」も決して夢ではない。

 リーグ3連覇を狙う王者・広島が突き抜けるか。それとも交流戦で貯金を減らし、2位以下の大混戦に加わるようだと、セの優勝争いは予測がつかなくなる。もちろん、混戦に強いヤクルトにとっては好機到来となる。(記者コラム・飯塚 荒太)

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2018年6月8日のニュース