阪神・鳥谷2位浮上打!球団単独6位の803打点 三塁で美技も 

[ 2018年6月8日 05:30 ]

交流戦   阪神2―1オリックス ( 2018年6月7日    甲子園 )

6回2死一塁、鳥谷は右中間に勝ち越しの適時二塁打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 こんなトリをみんなが待っていた!阪神は7日、鳥谷敬内野手(36)の攻守に渡る活躍でオリックスを2―1で下した。1―1の6回2死一塁から右中間への決勝適時二塁打。今季初めて就いた三塁の守備でも美技を見せ、4万4858人の大観衆を沸かせた。チームは雨天中止明けの試合は今季6戦6勝。交流戦2勝目を挙げるとともに、DeNA、巨人が敗れ2位に浮上した。

 クールな口から熱い思いがこぼれ出た。満員の観衆の大歓声に迎えられた今季初のお立ち台。何度も見てきた景色がこれまでとはどこか違う。苦しみ、もがき、期待を裏切っても、誰よりも大きな声援を送り続けてくれた虎党。中には涙を流す女性ファンもいた。やっと一つ、恩返しできた鳥谷が心を込めて感謝を口にした。

 「久しぶりすぎて何だかよくわからないんですけど、これからも1回でも多く立てるように頑張っていきたいと思います」

 1―1の6回2死一塁、金子のチェンジアップに食らいついた。右中間を真っ二つに破った打球に、糸井が俊足を飛ばして生還。自身の持つ交流戦の最多安打記録を更新する323本目が、決勝の二塁打となった。

 「1打席目にチャンスで還せなかったので、何とかつないでいこうと。糸井もよく走ってくれました」

 交流戦開幕戦だった5月29日のソフトバンク戦で、歴代2位の連続試合出場が1939で止まった。翌30日の同戦。9回、代打として登場した際に、心を大きく動かされた。

 「普段は集中しているから全然聞こえないんですけど、応援の声が凄くて…。自分がダメになっていても、応援してくれる。すごくありがたかった」

 百戦錬磨の男も、武者震いが止まらなかった。感謝を伝えるには、結果で示すしかない。右前で弾んだ一打は、長い野球人生でも記憶に残る一打となった。

 今季初めて就いた三塁の守備でも魅せた。4回1死一塁、マレーロの三塁線への痛烈なゴロに横っ飛び。捕球後すぐさま二塁へ完璧な送球を見せ、併殺を完成させた。「去年も守っていたんで。自分のところに飛んできたら全部アウトにしてやろうという気持ちでした」。先発起用した金本監督も「キャンプからいろんなところを守らせているから。備えあれば憂いなしで。トリも自分でシートノックを三塁で受けていたし」と目尻を下げた。

 金子からは昨年の6月6日の対戦でも右越え3ランを放っていた。この適時打で通算803打点となり、藤田平氏を超え球団単独6位に。大声援が証明するように、猛虎の看板は今でも鳥谷なのだ。(山添 晴治)

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