広島3連勝で首位がっちり!新井が2軍降格の堂林へ激励弾 

[ 2017年6月7日 05:30 ]

交流戦   広島4―3日本ハム ( 2017年6月6日    札幌D )

4回1死、左越えソロを放つ新井
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 広島は6日の日本ハム戦を今季20度目の逆転で制して3連勝へ伸ばした。新井貴浩内野手(40)が2点を追う4回、反撃の口火を切る6号アーチを掛ければ、7回には丸、エルドレッドの長短打などで一挙3点を奪った。昨秋日本シリーズで3連敗を喫した敵地で鮮やかなリベンジ星。貯金を今季最多の13とし、首位の座をがっちりキープした。

 鮮やかな放物線を描いた打球が敵地の左翼スタンドに着弾した。2点を追う4回1死から、3試合ぶりにスタメン出場した新井が6号ソロ。カウント1―2から加藤の138キロの内角低め直球を鋭いスイングではじき返した。

 「直球がいい投手。その球をコンタクトしようと思っていた。うまく打てました」

 5月3日の中日戦以来約1カ月、実に48打席ぶりの一発に白い歯がのぞく。敵の左腕とは、10月27日の日本シリーズ第5戦で対戦。2回途中で早々とKOしたが、新井自身は初回2死一、二塁で中飛に倒れており、意地を見せた格好だ。

 足でも魅せた。1点を追う6回1死から四球で出塁し、2死後、小窪への3球目に走った。「魅せるとかじゃなく、準備はしっかりやっているので」。4月8日のヤクルト戦以来、今季2個目の盗塁成功。得点には結びつかなくても、反撃の機運をグッと高めた。

 心が揺れ動く出来事があった。ロッテ戦があった4日、堂林が2軍に降格。バティスタを出場選手登録したことに伴ってペーニャが落ち、三塁を守れる内野手の補充が必要な状況だった。入れ替わりで小窪が昇格。事情を説明する首脳陣に、新井はこう申し出た。

 「ボク(が降格)ではダメなんですか?」

 堂林が5月31日の西武戦で放った今季1号から4日目。40歳の自分が1軍に残るなら、若い有望株に経験を積ませる方がいい。愛弟子の将来、チームの将来を思えばこその新井らしい直訴だった。

 「本塁打を打ち、走ってくれるんやから。勢いをつけてくれたよ」。緒方監督はその奮闘を絶賛した。昨秋のリベンジを果たすチーム一丸の勝利。新井も満足そうだ。

 「いつも通り諦めない気持ち。やり返したとかじゃない。初戦を取れて良かった」

 本塁打に愛弟子へのエールを込めたのでは?との問いには、わずかにほほえんでみせた40歳。どこまでも頼もしい男がそこにいた。 (江尾 卓也)

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2017年6月7日のニュース