巨人、菅野でもダメ…球団ワーストタイ11連敗で5位転落 

[ 2017年6月7日 05:30 ]

交流戦   巨人5―8西武 ( 2017年6月6日    メットライフD )

2回無死、中村に四球を与え、肩を落とす巨人先発・菅野
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 止められない…。巨人は6日の西武戦に逆転負け。球団ワースト記録に並ぶ11連敗を喫し、5位に転落した。3点リードをエース菅野智之投手(27)が守りきれず、6回5失点。7回以降はリリーフ陣がつかまった。75年は第1次長嶋政権1年目で、球団史上唯一の最下位になったシーズン。深い、深い泥沼だ。

 高橋監督は怒りを押し殺しながら、口を開いた。

 「結果がこうなので、あまりどうこう言ってもね。相手もあることなので、なかなかうまくいかない。頑張ってやるしかない」

 4回までに3点を先行。だが、菅野がリードを守れなかった。得点した直後の4回に5安打を集中され2失点。6回は2点追加の直後、栗山に一発を許すなど3失点して追いつかれた。無失点を誓って登板したエースが6回9安打5失点。「情けない。応援に来てくれるファンがいる以上、(期待に応えるには)勝つことしかできない」とうなだれた。

 連敗中の悪いムードを象徴するように、投手陣が攻めの姿勢を貫けなかった。菅野は4回は6〜9番の下位打線に4連打を浴びた。メヒア、外崎、炭谷の右打者には外角球をはじき返され「インコースを突けなかった」と悔やんだ。

 救援陣も流れを断ち切れない。5―5の7回には2番手・桜井が3四球を与えると、3番手・西村が押し出し四球と右犠飛で、ノーヒットで2点を献上した。得点力を上げるために抑えのカミネロの出場選手登録を抹消しているが、それ以前から「7回の投手」は課題。終盤に粘りきれず、11連敗中、逆転負けはこれで5度目だ。桜井は「攻める投球じゃなかった。打たれてでも攻めていくべきだった」と反省。尾花投手コーチは「もっと力で勝負してほしかった」と話し、村田ヘッドコーチは「四球ばっかり出して、論外」と吐き捨てた。

 老川祥一オーナーが異例の敵地での観戦に訪れていた。ファンに「本当に申し訳ない」と謝罪。そして鋭い言葉を発した。

 「調子が上がってきている人もいるが、駄目なものは相変わらず駄目。それを使わざるを得ないところに今の苦しいチーム事情がある」

 陽岱鋼がヨウダイカン「が「1番・中堅」で戦列復帰した打線は相手を上回る13安打を放ちながら、投打がかみ合わなかった。敗色が濃くなると、歴史的な黒星の瞬間を見たくないのか、席を立つ巨人ファンが多かった。4試合ぶりにスタメン復帰し、3安打を放った阿部は「勝ちにいくためのチャレンジをしていくしかない。今日こそはという気持ちでやっていくしかない」。主将の坂本勇も「みんなで切り替えてやるしかない。明日も試合がある」と前を向いた。

 7日の西武戦で敗れれば、連敗記録を塗り替える。全員が強い気持ちで臨まなければ、勝機は見えてこない。(川島 毅洋)

 ▽75年の巨人11連敗 長嶋監督1年目の9月4日の大洋戦から同17日のヤクルト戦まで、1分けを挟んで記録。連敗中の12試合は王、柴田の2本塁打のみで1試合平均1.5得点と貧打だった。この年は球団史上唯一の最下位に終わった。

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2017年6月7日のニュース