山田、史上初2年連続トリプル3ほぼ手中 肉体進化で加速度UP

[ 2016年9月7日 05:30 ]

<D・ヤ>初回2死一塁、バレンティンの時一走・山田は二盗を決める。野手・石川

セ・リーグ ヤクルト1-6DeNA

(9月6日 横浜)
 前人未到の領域へ駆け抜けた。ヤクルトの山田哲人内野手(24)が6日のDeNA戦で今季30個目の盗塁を決め、同一シーズンで打率3割、30本塁打、30盗塁をマークする「トリプルスリー」の条件を現時点で満たした。9回に左越えへ22試合ぶりのアーチを放ち、本塁打は34本に。打率もシーズンの規定打席を既に満たして・325だ。トリプルスリーは昨季の自身を含めて過去10人が記録しているが、2度達成すれば史上初めてとなる。

 山田がついに決めた。初回。左前打で出て、バレンティンの初球で仕掛けた。ウエストボールで外されたが「(投手の)井納さんの体が本塁に動いたと直感した。スタートが凄く良かった」。やすやすと二塁を奪い、30盗塁に達した。30発は7月26日にクリア。打率・325も残り15試合ならゆとり十分だ。パイレーツなどメジャー数球団が視察する中、事実上の2年連続トリプルスリー達成の瞬間を迎えた。

 身長1メートル80、体重76キロ。抜きんでた体格ではない。身体能力は抜群に高いが、負けん気の強さをむき出しにするタイプでもない。今年腰痛に悩まされた時も、「痛み止めの注射?怖いからなあ」とぼやいていた。

 視力は右0・7、左0・4。コンタクトレンズを2年前に試着したが、「あんま変わらへん。(視力矯正で)レーシック手術の予定もない。見えてるから」と笑う。良い意味で大ざっぱでくよくよしない。家庭環境にも起因しているのだろう。幼稚園に通ったのは6歳の1年間のみ。母・則子さんは「私から離れると泣きやまないんで5歳まで無理でした。でも1年間通ったからよく頑張ったかなって」。山田家の教育方針は感情的に怒らず長所を褒めて伸ばす――。気持ちの切り替えが早い性格が培われた。

 より厳しいマークをはねのけた今季の数字は計り知れない価値がある。春季キャンプから疲労性の腰痛を抱え、6月は右太腿裏が肉離れ寸前でも出場し続けた。8月10日に肋骨骨挫傷で登録抹消。2週間離脱した。「体中が痛い。ボロボロやね」と苦笑いするほど満身創痍(そうい)でも、打ち続け、走り続けた。

 成果は肉体の進化に裏付けられている。昨年は体重が春先の78キロから夏場に71キロまで落ちた。今年から本格的に筋力トレーニングに取り組み、故障する6月まで週2日は欠かさなかった。体重が落ちにくい筋肉の鎧(よろい)を身につけ、間食でゼリー系やバナナを積極的に摂取。春から2キロ減で食い止め、飛距離は伸び、走る際の加速度も増した。夏場に実家から送られてきた梅干しは疲労回復の源だった。

 チームは敗れて3位・DeNAと3差。鋭い眼光で言った。「もうちょっとホッとするかなと思ったけど、まだシーズンは終わってない」。余韻に浸ることなく、逆転CS進出へ走りきる。(平尾 類)

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