恩師が太鼓判…由伸は「熱さ」「冷静さ」「用意周到さ」備える男

[ 2015年10月24日 06:23 ]

慶大時代の高橋由(右)と後藤氏

高橋由伸、第18代巨人軍監督に就任

 監督就任と同時に、高橋由は18年間の選手生活に幕を下ろした。長嶋茂雄監督に「天才」と評された打撃。1753安打、321本塁打の通算成績は、度重なる故障がなければまだまだ伸びただろう。バットをおく「選手・高橋由」の思い出を、慶大時代の恩師・後藤寿彦氏(62)が語った。

 由伸が慶大に入学した94年、僕も大学の監督になった。以来22年。ずっとバッティングを見てきた。それだけに現役引退に寂しさはある。最後の打席を目の前で見られなかったのは残念だ。しかし、これは前に進むということ。前任の原監督が名将だった。後を継ぐのは大変だろうが「自分がやるのがジャイアンツの野球だ」と、違う色を出してくれればうれしい。

 8月22日。巨人は広島遠征中で、市内の僕の自宅で一緒に食事をした。「この年になって打撃の技術が上がっているぞ。まだやれるな」。そんな話をした。由伸からは「いや、しんどいですよ」との答えが返ってきた。それでも、まんざらでもなさそうな表情だったのを覚えている。

 慶大では、最後の最後までフォア・ザ・チームを貫く主将だった。照れ屋で、言葉ではなかなか言わない。それでも胸の内には熱い思いを秘めている。「熱さ」と「冷静さ」、そして「用意周到さ」を備える男。だから彼には、5、6年前から「すぐにでも監督になれるなあ」なんて話もしていた。

 野球以外でもそう。本質を見極めようとする能力が高い。指導者としての資質は、僕はもう負けているような気がする。彼ならやれる。強くそう思う。(元慶大監督、現JR西日本総監督)

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