巨人菅野 復帰戦で3回無失点「一日でも早く1軍の戦力に。必死にやっていく」模索した新フォームで圧倒

[ 2023年5月28日 15:46 ]

2軍戦で右肘の違和感から復帰した巨人・菅野
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 復活への階段をまた一歩上った。2軍戦で実戦復帰し、2カ月半ぶりの登板は3回無失点。巨人・菅野智之投手(33)は「危機感を持ってやっている。残された時間もあまりない。一日でも早く1軍の戦力として戻れるように必死にやっていきます」と責任感をにじませた。

 イースタン・リーグのヤクルト戦。普段2軍戦を開催しない八王子市民球場では、菅野の先発が発表されると2735人から大きな拍手と歓声が上がった。右肘の張りで緊急降板した3月18日の日本ハムとのオープン戦以来の登板だ。右腕は「ちょっと心が折れてましたけど“頑張ろう”と思いました。東京ドームで当たり前のように応援、歓声がありましたけど、試合前にたくさん応援の言葉をいただいたのでまた改めて頑張ろうと」と感謝し、復帰戦に臨んだ。

 3回まで計38球。最速は150キロをマークし、変化球はカットボール、フォークを中心にスライダーもカーブも織り交ぜた。2回は荒木を直球で詰まらせ二ゴロ併殺。3回は外角直球で元山から空振り三振を奪った。計3安打も連打を許すことはなかった。「セットポジションで投げる機会がなかったので、そこを一番に確認したかった」と走者を背負っても丁寧に投げ込みながら無失点に抑えた。

 菅野は今春から右足をプレートに沿って固定したまま踏み替えない新フォームに取り組んできた。右足を大きく動かすことなく固定することで、フォームの軸がぶれずに安定する。復帰戦で意識したことを、菅野は「特にセットポジションで右脚が潰れてしまう癖があった。自分の中で“突っ込んではいけない”という感覚がすごくあったが、今は左足に体重を乗せていく。突っ込むという感覚ではないですけど、右脚は全く意識しないという感覚で今はやっている。左足に(力を)ぶつけにいく。今日のセットポジションも、(右足は)ほぼ棒立ちぐらいだと思う。高いところから投げるというのをイメージして、今はやっています」と投球フォームを説明した。

 2度の沢村賞、3度の最多勝利、4度の最優秀防御率と輝かしいプロ野球人生を送ってきた。その菅野が今季は開幕前に離脱し、もがき苦しんだ。「本当に久しぶりの試合なので投げられたことがうれしかった。僕はよく怪我をしますけど、思うことは“それを美談にしてはいけない”。1軍で出続けることが一番えらい」と自身の哲学を口にした。次戦は2軍で球数とイニング数を増やし、1軍復帰戦を模索していく。

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