どうした?ヤクルト 担当記者が分析、低迷3つの要因 9連敗、5月なのに自力V消滅 

[ 2023年5月28日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト1―4広島 ( 2023年5月27日    マツダ )

<広・ヤ>9連敗にガックリと引き揚げる村上(中央)=撮影・奥 調
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 リーグ3連覇を狙うヤクルトは27日、広島に敗れ、19年以来となる9連敗。開幕から46試合目にして12球団最速で自力優勝の可能性が消滅した。担当の青森正宣記者が借金10の現状を分析。村上宗隆内野手(23)の不振など、低迷する3つの要因を挙げた。

 今季の苦境を象徴している。初回1死満塁の先制機を築いたが、後続が倒れ無得点。高津監督が「初回でしょうね」と分岐点に挙げた拙攻が響き、ついに9連敗となった。V2の王者が、借金10の5位に沈むのはなぜか。

 (1)低調な打線 チーム打率.230はリーグワースト。指揮官が「得点圏でなかなか1本出ない」と嘆くように、得点圏打率.196もリーグ最下位だ。昨季3冠王の4番・村上が5月に入り復調気配も、開幕当初は1割台に低迷。開幕時にリードオフマンの塩見を、下半身のコンディション不良で欠いたことも響いた。

 (2)“ゆとりローテ”を組めない 選手のコンディション維持を優先し、先発は登板間隔を空けての起用が高津流マネジメント。だが、今季は奥川、原らが故障明け、山下が左肘痛と先発陣が駒不足だ。昨季は同じ46試合消化時点で中6日は10度、中7日以上は26度だったのに対し、今季は中6日が23度で、中7日以上が14度。指揮官は「なかなか間隔を空けてあげられない」と頭を悩ませる。

 (3)左の中継ぎが不足 退団したマクガフに代わり、今季から左腕の田口を守護神に指名。昨年は田口がイニング途中から登板しピンチを何度も救ったが、高津監督は「左投手がリリーフにいないので、相手ベンチがやりやすくなってしまう」と分析する。同等の役割を久保や山本、成田らに求めたいが、固定できていない。

 自力優勝の可能性が消滅しただけでなく、きょう28日には最下位転落の危機。浮上のヒントは、指揮官の「我慢強く。基礎基本を怠らずにしっかりできることを全力でやる」にあるとみる。

 ヤクルトの自力Vの可能性が消滅した。

 ≪2016年より“ハイペース”≫残り97試合に全勝しても114勝27敗2分けの勝率.809。首位の阪神はヤクルトとの残り13試合に全敗しても、他カードでの85試合に全勝すると115勝27敗1分けの勝率.810となり、自力でこれを上回れなくなるため。

 自力Vが開幕46試合以内で消滅するのは、84年の44試合目以来39年ぶりの屈辱。また、チームでV翌年にリーグ最速の自力V消滅は、16年の6月29日(77試合目)以来となった。

 ▼ヤクルト・村上(2打数無安打2四球)みんな勝ちたい気持ちはある。やるだけです。

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