DeNAバッテリー　中日・高橋宏に「速え！」も「ヌキはヌキ」で試合を支配

セ・リーグ   DeNA3―1中日 （ 2023年5月28日    バンテリンD ）

＜中・D＞勝ち星を挙げた大貫は、最後を締めた山崎康（右）と笑顔でハイタッチ（撮影・椎名　航）
Photo By スポニチ

　大型ビジョンに序盤から「156」「157」「158」と球速を表示する中日先発・高橋宏の投球に、場内はどよめき続けた。

　初回表の攻撃中、DeNAの大貫―戸柱のバッテリーも、マウンドで躍動する右腕に早くも「速えっ」と驚きを感じていた。だがそれでも捕手・戸柱が発した魔法の言葉で大貫は冷静さをキープした。「でもヌキ（大貫）はヌキだから」。

　先発・大貫の最速は145キロ。高橋宏との最速球速差は「13キロ」も、それでも変化球を低めにあつめて凡打を重ねる真骨頂を発揮し、今季初勝利を手にした。そしてその快投は、自身プロ5年目で初の完封勝利に「あと1人」までに及んだ。

　8回まで「0」を重ね、9回は2死一、三塁まで粘投。だが三浦監督の判断で降板。「それ（降板）がイヤなら抑えるしかなかった」と自身をいましめると、守護神・山崎が打者の石川に投前適時打を喫して大貫に1失点がついた。

　4月は2戦1敗の不調で、この日が今季3戦目。昨季チーム最多の11勝をマークした右腕は2月に「右肩肉離れ」を発症し苦しんだが、交流戦前最後の一戦で復活の兆しを見せた。

　それは「ヌキはヌキ」でブレずに試合を支配し続けたことが大きい。左翼ビジター席を埋めたベイ党も、「ヌキ」が敵地で示した持ち味に大満足して帰路についていた。（大木　穂高）