広島・森下 本拠マツダで復活1勝! 「粘り強く投げて良かった」右肘手術乗り越え、昨年8月以来

[ 2023年5月28日 06:30 ]

セ・リーグ   広島4―1ヤクルト ( 2023年5月27日    マツダ )

<広・ヤ>7回、中村を遊ゴロに打ち取り笑顔でベンチに戻る森下 (撮影・奥 調)
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 広島・森下暢仁投手(25)が27日のヤクルト戦に先発し、7回3安打無失点の好投で待望の今季初勝利を手にした。昨年10月の右肘手術を経て復活星を挙げた右腕は、今季初のお立ち台で3万631人の観衆から“帰還”を祝福され、笑みを浮かべた。チームは2連勝で4カードぶりの勝ち越しを決め、3位に浮上した。

 勝利投手の権利が舞い込んできた瞬間に見せた森下の笑顔が、すべてを物語っていた。7回無失点で役目を終えると、その裏の攻撃で味方が先制に成功。右肘手術を乗り越え、22年8月16日の中日戦以来の白星となる今季初勝利を手にした。

 「(勝利投手の権利を得た時は)粘り強く投げて良かったなという気持ち。なんとか点を取ってもらって、守ってもらって、いいリズムで投げることができた。それがいい結果につながったと思う」

 立ち上がりの粘りで波に乗った。太田、山崎に連打を浴び、1死から村上への四球で満塁のピンチを招いた。だが、ここで踏ん張った。続く浜田を空振り三振、続く西浦も二ゴロに仕留め、窮地を脱出。2回以降は「(上体が前に)突っ込んでいた部分があった」と投球フォームを微調整し、本来の姿を取り戻した。終わってみれば7回までスコアボードに「0」を並べた。

 昨秋に右肘クリーニング手術を受け、約7カ月が経過。今月4日の今季初登板から、この日で4試合連続クオリティースタート(6回以上、自責3以下)と安定した投球を続ける。そして4戦目にしてようやく手にした今季初勝利が、さらなる原動力となる。新井監督も「全部いい投球をしてくれている。投げる球は登板を重ねていく中で、どんどん彼本来の球になってきている」と目を細めた。

 不安を取り除いたはずだったが、万全の状態で開幕を迎えたわけではなかった。チームが戦いを重ねる中、右肘の状態が上がらずに2軍調整が続いた。首脳陣から「焦らなくていい」と言われても、1軍の試合を目にすると「早く投げたい」とはやる気持ちが湧き起こった。そんな時。普段と同じように、自然に接してくれる家族や2軍スタッフの存在に救われた。「(出遅れを)深刻に考えることはなかった」。周囲の心遣いに感謝する。

 本拠地のお立ち台。満員の観衆から「お帰り」と声を掛けられ、照れ笑いを浮かべた。「3試合ビジターで試合をしてきたんですけど、勝てなかった。みんなの前で勝てればいいかなと思って、マツダに戻って。勝ててうれしい」。復活の1勝で、背番号18が新たなスタートを切った。(長谷川 凡記)

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