花巻東・佐々木麟 高校通算130号 背中の負傷から復帰即!豪快130メートル

[ 2023年5月28日 05:30 ]

春季高校野球・岩手県大会準決勝   花巻東7ー3盛岡四 ( 2023年5月27日    きたぎんボールパーク )

<花巻東・盛岡四>2回、3ランを放つ花巻東の佐々木麟(撮影・村井 樹)
Photo By スポニチ

 今秋のドラフト1位候補に挙がる花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(3年)が27日、春季岩手県大会準決勝の盛岡四戦で高校通算130号を放った。2回にバックスクリーンへ130メートル弾。13日に背中を痛めて控えていた打撃をこの日、再開して即放った特大弾だった。2安打4打点の活躍で7―3の勝利に貢献し、東北大会(6月7日開幕、岩手)の出場が決定。高校最後の夏の甲子園出場へ、弾みの春にする。

 一塁側の応援席からはエンゼルス・大谷の日本ハム時代の応援歌が流れた。「迷わずに駆け抜けろ。伝説の幕が開ける――」。2回1死一、二塁。佐々木麟の大飛球に、中堅手はすぐに追うのをやめた。大谷先輩の「確信歩き」のように、ゆっくりと左打席から歩き出す。今年開場したばかりの「きたぎんボールパーク」のバックスクリーンへ高校通算130号。130メートルの特大弾だった。

 「しっかり対応できたんじゃないかなと思います。しばらくバットを振っていなかったですけど、しっかりゲームまでに準備できたことはよかった」

 故障からの復帰戦だった。13日、沖縄での招待試合で背中の張りを訴えて途中交代。父でもある佐々木洋監督は、岩手に戻って検査した結果「筋の断裂だと思います」と重症だったと明かした。この日朝、病院で医師から打撃再開の許可が出て、試合前に約10分の打撃練習。2週間ぶりのスイングに「少しかばったりする部分があり、上体に力があまり入らないように」と不安は残る。だが、指揮官が「体にうまくバットを巻き付けながら打った」としたように、最後はバットが背中に当たるように、下半身主導で上半身を柔らかく使った一発。万全ではない中、今季の公式戦初本塁打など2安打4打点に「チームに迷惑をかけていたので結果として良かった」と責任感をにじませた。

 今秋のドラフトに向け、既に西武や日本ハムが1位候補にリストアップし、大リーグのスカウトも視察する大砲。この日のバックスクリーン弾のように、中堅から逆方向に飛ばせるのが最大の魅力だ。中学時代、金ケ崎リトルシニアで指導した大谷の父・徹氏からは息子と同じように「左中間へ二塁打を打て」と逆方向へ飛ばすことを叩き込まれた。3月に早実・清宮幸太郎(現日本ハム)の歴代最多とされる通算111本塁打を抜き、独り旅の新伝説の途上だ。

 28日の決勝を前に、東北大会出場も決めた。「本調子ではないのは明らかなので、ここから少しずつでも上げていくことが大事。夏にベストでいけるように上げていきたい」。2年春以来2度目、最後となる今夏の甲子園出場へ。再出発の号砲だった。(村井 樹)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年5月28日のニュース