大野豊氏 初回のピンチを乗り切ったことが広島・森下の勝因 チームにとっても大きな1勝に

[ 2023年5月28日 07:30 ]

セ・リーグ   広島4―1ヤクルト ( 2023年5月27日    マツダ )

<広・ヤ>初回、山崎に一塁内野安打でベースカバーに入る森下(撮影・奥 調)
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 【大野豊 視点】広島・森下の立ち上がり。2本の不運な当たりが安打になった初回1死一、二塁で、村上には長打を打たれまいという意識が感じられた。細心の注意を払って低めを突き、結果、四球になったのは仕方がない。満塁。失点すれば流れが相手に傾く。

 浜田への投球がポイントだった。逃げずに力勝負を挑み、空振り三振。続く西浦も力ずくで抑え込んだ。直球の威力、精度がいいという判断だろう。森下には元々、ピンチで本領を発揮するイメージがある。初回を乗り切ったことが、この日の勝利の全てと言える。

 2回以降は危なげない投球。カーブを投げる頻度は少なかったものの、カットボールとチェンジアップを制球よく操っていた。それもこれも、根本は真っすぐ。軌道の中で投げ切れていたからこそ、他の変化球も生きた。

 今季4試合目。好投すれど勝っていなかった。ましてや前回20日の阪神戦では、完投しながら打線の援護なくサヨナラ負け。投手には、一つ勝つことが何よりの良薬になる。勝って交流戦に向かうのと、そうでないのとでは心理的に全然違う。森下にもチームにも、大きな1勝だった。(本紙評論家)

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