阪神・大竹 全球団勝利へ、残るは古巣ソフトBだけ「強火をかけ続けられるように」 6月交流戦も燃える

[ 2023年5月28日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―2巨人 ( 2023年5月27日    甲子園 )

<神・巨>お立ち台で笑顔の(左から)近本、大竹、中野(撮影・大森 寛明)
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 あふれる感謝の思いを、こらえ切れなかった。阪神の先発・大竹が7回6安打無失点で開幕から無傷の6連勝。降板直後の先制劇に、試合中にかかわらず、うれし涙が頬を伝った。

 「0―0のままだったらもっと投げたかったし、そこをしっかり代打(渡辺諒)が(四球で)つないでくれて、点取ってもらえたんで。単純に打つより、気持ちの面で、凄く感じるものになった」

 眼前で繰り広げられた「タイガードラマ」に目頭を熱くした。2死二塁から自身の代打・渡辺諒は四球でつないでくれた。近本は粘りに粘って決勝打を放ち、勝利投手の権利をともしてくれた。中野も2点を叩き出してくれた。「一人はみんなのために、みんなは一人のためにというか…。そういうチームプレーを感じたので思わず(涙が)出ました」。心を震わせた。

 「野手の皆さんにも声かけてもらえたり、そういう普段がある。味方がエラーしても、“じゃあ代わりに俺が抑えてやる”という気持ちにさせてくれるチームメート。いいチームだと思います」

 ドラマをクライマックスまで導いたのは自らの力投だ。初対戦の巨人相手にも、投球術がさえ渡った。無走者でも時にクイックを交え、直球とチェンジアップで緩急を操り相手に狙いを絞らせない。「しっかり低めに投げられているんでヒットでもゴロが多かった。そこは自分の中でもよかった」。地道な、丁寧な積み重ねが、7回の攻撃につながった。

 これで初顔合わせ11球団目で9勝無敗。11球団から勝利を挙げ、今後もローテ通りなら6月16~18日の古巣・ソフトバンク戦で12球団制覇に挑む。「一気に火がバッと付いて、ポッと消えるような投手にはなりたくない。強火をかけ続けられるように」。キャリアハイで、両リーグトップの6勝目。規定投球回に1/3回不足も、驚異の防御率0・40。投球スタイルとは対照的な燃えたぎる炎を胸に秘めつつ、熱投を続ける。(阪井 日向)

 《キャリアハイ6勝》○…大竹(神)がソフトバンク時代の19年を上回る、キャリアハイのシーズン6勝目。今季登板7試合無傷の記録で、阪神投手の開幕6連勝は21年のガンケル6連勝以来2年ぶり。初登板の巨人戦勝利は通算11球団目の勝利。日本ハムとオリックスを除く9カードが初登板での勝利だ。「全球団から勝利」達成へは、古巣のソフトバンク戦を残すだけで、チームは今季交流戦6月16~18日の甲子園3連戦で対戦予定。得意の初登板での達成に期待がかかる。

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