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鬼怒川最上流よりさらに上流で…ニッコウイワナの原種に出合えた

[ 2025年8月10日 05:30 ]

今回最大のイワナは中村さんが投げ込んだ山人黒バリをゆっくりとくわえた
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】昨年11月、家内と栃木・日光の奥鬼怒川へ旅行しました。鬼怒川最上流にある女夫渕温泉よりさらに上流にある秘湯宿、加仁湯に宿泊。5つの源泉や混浴露天風呂を楽しむことができました。それよりも目の前の源流にイワナが何匹も泳いでいるのが見えたことが強烈でした。遊歩道を歩いて行った上流の禁漁区にはさらに多くのイワナが泳いでいました。

 今年に入りイワナ釣り計画の中に奥鬼怒川を入れて加仁湯を予約。奥鬼怒岩魚保存会会長の小池久男さん(80)にその旨連絡し、ニッコウイワナの原種を見てみたいとお話ししたら、案内してくれるとのことでした。さらに筆者がサケマスイワナの研究家であり、調査捕獲ということでリリースを前提に禁漁区へ立ち入る許可を取ってくれたのです。

 7月末、猛暑に見舞われた頃の釣行になりました。同行者は瀬野泰崇さんと中村渚さんです。初日は加仁湯の周辺で釣り開始。ここで中村さんがドライフライでイワナを連発し驚かされました。フライは山人黒バリ(パラシュート)でした。瀬野さんもフライで2匹。筆者はルアー「流5センチ」で3匹ゲットしました。その日は早めに宿へ戻り温泉、そして夕食を楽しみました。

 翌日は禁漁区に入り、最終堰堤(えんてい)を過ぎヒナタオソロシの滝、オロオソロシの滝を越えてから釣りを開始しました。保存会ではこの自然源流の一部にイワナが産卵しやすいように、瀬をつくって産卵場を造成したりして増殖を促すようにしているそうです。

 すぐに中村さんがドライフライでイワナをゲット。白斑が背中までちりばめられ、体側は黄色斑、おなかはオレンジ色の典型的なニッコウイワナでした。小池さんが「これは原種ですね」というので、観察ケースに入れて撮影したりしました。

 筆者はミノーを投げてみましたが、チェイス(追いかける)だけで食いつく魚はいませんでした。その後も2人はドライフライで順調に釣り上がるものの、ルアーにはチェイスのみ。そこで瀬野さんのフライロッドを借りてドライフライを流すと即ヒットしました。

 ミノーで苦戦していたのを見て、フライで十分釣ったと満足した瀬野さんがルアーにチェンジ。ミノーがダメならと、最初からスミス「ARスピナー」を使用すると、これがよく釣れました。他ではよく釣れるミノーで釣れないまま、スピナーで連発。だから釣りは面白いと、イワナの性格の不思議を目の当たりにしました。

 釣って撮影してリリースして、あっという間に昼を過ぎ、中村さんがこの日最大の27センチをゲット。最後のポイントではフライに浮き上がってきて食いつかなかった魚を瀬野さんがルアーで釣るというテクニックも見せてくれて終了しました。

 次回の調査も参加したいのですが、禁漁区ですのでこちらの都合では動けません。それよりも、加仁湯周辺で十分釣りになりますから、この辺りのイワナの保護、例えばキャッチ&リリース区間を設定するなどして、原種を守りつつ釣りが継続可能な環境をつくっていけたらいいと思いました。 (東京海洋大学元客員教授)

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