「どうする家康」波岡一喜　山田裕貴に感謝「建設的」叔父上・本多忠真の最期“殴るパターン”オンエア採用

大河ドラマ「どうする家康」第18話。叔父上・本多忠真（波岡一喜・左）は本多忠勝（山田裕貴）を殴り倒して説得。「殿を守れ。おめえの大好きな殿を」――（C）NHK
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　嵐の松本潤（39）が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」（日曜後8・00）は14日、第18話が放送され、主人公・徳川家康が武田信玄に惨敗した「三方ヶ原の戦い」（元亀3年、1573年）の“真実”が描かれた。家康の人生最大のピンチを2部構成で壮大かつ丹念に紡いだドラマ前半のクライマックスの一つ。酔いどれサムライ・本多忠真の忠義に、視聴者は涙した。

　＜※以下、ネタバレ有＞

　「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。

　「三河一向一揆」「伊賀越え」と並び、徳川家康の“3大危機”に数えられる「三方ヶ原の戦い」が、第17話「三方ヶ原合戦」（5月7日）に続いて2週にわたって描かれた。

　第18話は「真・三方ヶ原合戦」。浜松城を素通りした武田信玄（阿部寛）の罠にハマり、徳川軍は散り散りに撤退した。本多忠真（波岡一喜）は酒を浴びながら奮戦。「一人では死なせん」「叔父上を置いてはいかぬ」と前に出る本多忠勝（山田裕貴）に「おめえは本当にあほたわけじゃの！おめえの死に場所は、ここではねえだろうが！おめえの夢は、主君を守って死ぬことじゃろうが！」。拳を一発入れ「（家康が）好きなんじゃろうが！殿を守れ。おめえの大好きな殿を。行け、平八郎」と甥を抱き締めた。

　忠勝は叫び、立ち去る。忠真は涙。迫りくる赤備え部隊に立ちはだかった。

　忠真役を好演した俳優の波岡一喜は、同局を通じたコメントで「史実を調べる中で『殿（しんがり）を務め、地に旗を刺して“ここから先は行かせん”と戦い、散っていく…』というエピソードがあると知り、猛々しい面を出せたらと思って収録に臨みました。でも、実際は難しかったです」とラストシーンを述懐。「『行け、平八郎！』と言うけれど、忠勝ともう二度と会えないことも分かっていたと思うんですよね。我が子のように育ててきた忠勝との別れだと思うと冷静ではいられず、思わず気持ちがあふれ出てしまいました。本番前は『感情を抑えよう抑えよう』と思っていたのですが、最終的には『素直に感じたままいこう』と腹を括って臨みました」と明かした。

　「本番では、忠真のそばを離れようとしない忠勝を忠真が殴り、殿のもとに行かせようとする。戦では傷一つ付いたことがない忠勝に、そこで初めて傷が付く…というパターンも撮りました。もともと台本にはなかったのですが、（山田）裕貴と話し合って『使われるかどうかは別としてやりたいね』となり、トライしたのを覚えています」と回想したが、2人のアイデアが実際、オンエアに採用された。

　山田とは2016年公開の映画「闇金ドッグス」（監督土屋哲彦）以来の共演。「彼はいい意味で変わらない人です。当時と、ますます多忙な今とでは環境も大きく変わったと思いますが、とにかくいつも謙虚。常に芝居と真っすぐ向き合う姿勢は変わらないですね。まだ若いのに、ご一緒して僕自身も勉強になりました。僕も裕貴のことが大好きだし、家臣団のみんなも、彼のことが大好きだと思います。お芝居する上でも、昔から知っているからこそ気を遣わずに遠慮なくぶつかっていけましたし、お互いこう演じてみたいというのがあればすぐ相談し合って、建設的な話もできました。忠真と忠勝のようにいい関係性だと思っていますし、忠勝が裕貴で本当に良かったなと思います」と感謝した。