渡辺名人 87手で勝利し1勝2敗に 藤井王将との名人戦第3局で初勝利 「とりあえず良かった」

[ 2023年5月14日 20:53 ]

藤井聡太王将に勝利し、1勝2敗とした渡辺明名人
Photo By スポニチ

 渡辺明名人(39)が挑戦者に藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋王、棋聖を含む6冠=を迎える第81期名人戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)7番勝負第3局は14日、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で2日目が指し継がれ、先手渡辺が午後8時20分、87手で勝利した。7番勝負初勝利で1勝2敗とし、3月の棋王戦第3局で勝利して以来の対藤井戦の連敗を3で止めた。

 「ここまで結果が出てなかった。とりあえず良かったかなと思う」

 この勝利で18年度朝日杯以来の対戦成績を4勝18敗とした。棋界の序列2トップによる5度目のタイトル戦。その勝敗も渡辺の0勝4敗で、意外すぎる大差がついたが一矢報いた。
 先手で迎えた渡辺は前日、9手目で左銀を上がって角換わりを打診した。藤井にとって全公式戦の約3割を指す十八番。その得意戦型へ自ら飛び込む意欲の表れだった。

 テニスのサーブ権になぞらえられる先後の手番を重視する渡辺は、勝率で若干優位な先手番で必勝を期してきた。対藤井戦の過去21局、角換わりは渡辺の3勝4敗。負け越しだが、20年度棋聖戦第3局、21年度銀河戦、昨年度棋王戦第3局と藤井から奪った白星の全てでもあった。

 ところが藤井は渡辺角を獲って角を成るどころか自ら角道を閉ざし、角交換を拒否。渡辺は金矢倉、藤井は雁木(がんぎ)に組む前例の少ない力戦へ進行した。

 そこでつかみ取った1勝は重い価値を持つ。角換わりに止まらず今回の矢倉戦に見出した鉱脈を、7番勝負だけでなく対藤井戦の反攻へのきっかけとしたい。

続きを表示

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年5月14日のニュース