レジオネラ菌検出の老舗旅館 星浩氏は会見に疑問「率直な会見のように見えるけど…」真実は見えず

[ 2023年2月28日 18:30 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 ジャーナリストの星浩氏が28日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にコメンテーターとして生出演し、福岡県筑紫野市の老舗旅館「二日市温泉 大丸別荘」で浴場から基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出された問題についてコメントした。

 週1回以上必要な浴場の湯の取り換えを、同旅館では年2回しか行わず、調査で基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出されていた。運営会社の山田真社長はこの日の会見で、「2019年12月以降、湯の管理が不十分となり、新型コロナウイルス(禍)で客が激減して一層ルーズになった」と説明した。

 レジオネラ症は国内でもここ数年、年間で70人以上の死者が出ているが、山田社長は「レジオネラ菌は大した菌ではないという認識だった。自分のところは大丈夫だろうと思っていた」と認識の甘さを認めた。

 星氏は、温泉施設でよく掲示されている検査実績や泉質のデータなどに言及。「温泉側がチェックしたデータが書いてあるわけで、いちいち行政側がチェックしているわけではない」とし、「信頼で成り立っているわけですけど、こういうことがあると、他の旅館も大丈夫なのかなと、旅行(業界)全体にも影響しますよね」と懸念を示した。

 山田社長は、水質の安全に自信を持っていたとする一方で、保健所に対しては虚偽の報告をするなど、矛盾も露呈した。星氏は「何となく全体的に率直な記者会見のように見えますけど、要所要所、本当のことをしゃべっていないんじゃないかなという。たとえば旅館の中でも、そういうことをやっちゃダメなんですよという議論がおそらくあったはずなんですけど、そこの部分はスルーしてますし、大事なことは隠しているところがあります」と、山田社長の釈明にも疑問を呈した。さらに「本当は保健所なり行政なりがちゃんと調べ直す必要がありますね」と、行政の責任にも言及した。

 同旅館の公式サイトによると、創業は慶応元年(1865年)で、150年以上の歴史を持つ。星氏は「これだけ長い(歴史のある)老舗旅館でもこういうことがあるわけですから、いったん信頼を失うと取り返しが付かない」とし、「いろんな旅館の人たちも他山の石にするんだと思いますけどね」と、再発防止を願っていた。

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2023年2月28日のニュース