約8分間遺影見つめ…鶴瓶 弔辞で笑瓶さんに感謝「お前のおかげで師匠になれた」

[ 2023年2月28日 05:12 ]

<笑福亭笑瓶さん告別式>車に乗って引き揚げる前に一礼する笑福亭鶴瓶(撮影・篠原岳夫)
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 急性大動脈解離のため22日に66歳で亡くなったタレントの笑福亭笑瓶(しょうふくてい・しょうへい、本名渡士洋=とし・ひろし)さんの葬儀・告別式が27日、東京・築地本願寺で営まれた。親交のあったタレントや関係者ら200人が参列。師匠の笑福亭鶴瓶(71)は弔辞で「自信なかったけれど、お前のおかげで師匠になれた」と愛弟子との最後の別れを惜しんだ。

 葬儀が始まる約40分前、斎場に横付けされた自動車から鶴瓶が降りてきた。目深にかぶっていた黒のハンチング帽を取り、報道陣に向かって一礼。足早に祭壇へと向かった。

 参列した関係者によると、鶴瓶は弔辞をしたためた紙などを手にしていなかったという。トレードマークの黄色縁眼鏡をかけてほほ笑む笑瓶さんの遺影を見つめて約8分間。脳裏に浮かぶ生の言葉が、そのまま口から出るような語り口だったという。

 「密葬にするというんで“どこですんねん?”と聞いたら“築地本願寺です”と。そんな密葬あるか」。時には笑いを誘うような場面もあった。笑瓶さんが弟子になった当時や、太田プロダクション入りし東京進出した経緯などを回想。悲しくないはずはない。だが、そう感じさせないような落ち着いた口調だったという。

 鶴瓶が愛弟子と最後の対面を果たしたのは22日。笑瓶さんはECMO(エクモ)を外しており既に心臓は止まっていたが、握った手はまだ温かかった。「初めて肉親になれた気がしました」。5歳差の師弟関係。時に「親友」と呼べる間柄だった2人が“家族”を意識した瞬間だった。「よう俺の所に弟子に来てくれた」「お前のおかげで師匠になれた」。こみ上げる感情を笑瓶さんに伝え、参列者たちも涙をこらえながら鶴瓶の声に耳を傾けた。

 到着から約1時間後、鶴瓶は出棺を見ることなく斎場を後にした。報道陣に一礼し背中を丸めて自動車に乗り込んだ。
 
 笑瓶さんは、午後2時過ぎに青空の下で出棺。棺を霊きゅう車に運んだのは鶴瓶の弟子たち。親交のあったタレントや一般の参列者たちが手を合わせる中、最後まで皆に愛されながら静かに天国へと旅立った。

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