【一問一答・その2】TKO木本「うまい話はないと散々聞いてきたのに、特別に来たと思ってしまった」

[ 2023年1月23日 15:15 ]

会見を開いた「TKO」の木本武宏
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 総額7億円以上ともいわれる巨額の投資トラブルが発覚し、芸能活動を休止しているお笑いコンビ「TKO」の木本武宏(51)が23日、都内で会見し、騒動を謝罪した。以下、一問一答。

 ――今回の騒動での学びや反省。

 「当たり前のことなんですけど、その当たり前に、僕は正直目を向けてこようとしなかった。いわゆる「オイシイ話はこの世にない」っていうのは、本当にそうだと今思っています。「お金を預けて1カ月で50%くらいつくかもしれない」という話に僕は乗っかってしまったんです。それくらい特別な土地だと言われて。そんな特別なことなどないと。いろんな方に相談してきた中で、散々同じようなアドバイスいただいて、本当に今は自分でいろいろ調べたりして。投資ということが、今回の報道を見た方に、まるで悪いこと、怖い事のような印象づけてしまったという責任もすごく感じています。でも、きちんと勉強して、常識的な感覚でやっていたら決して危ないものではなく、むしろ生活の中で必要な部分になる時代に入ってきているはずなのに。そこをけがしてしまったことには責任を感じている。とにかくうまい話はない、と散々聞いてきたはずなのに、自分には特別にそんな話がきた、と思ってしまったのは一番の反省です」

 ――違法性の認識。

 「知識の甘さで、細かく調べよう、注意しようという意識はなかったんだと思います。トレードの先生、トレーダーだと紹介されたので、そういう資格を持ってる人なんだと、どこかで思い込んでいた」

 ――芸人の間で同じような話がはびこっている?

 「特殊なケースだと思います。情けない気持ちになった一つですが、仮想通貨、コインを買ったというお笑いの仲間はたくさんいますが、みんな常識の範囲で楽しんでいる。僕は常識の範囲を突き破ってしまったというか。一歩外に出てしまったところで、こういうこともあるんだよというダメなエリアに足を踏み入れてしまったと思う。他の人はそういうところに目を向けず、きちんと仕事している。僕は結果的におろそかにしていた。今まで付き合ってきた仲間に会うときに恥ずかしい部分ですね」

 ――返済が滞らない限り刑事告訴はしない?

 「返済がある限りは刑事告訴しない。警察への相談はしていなかった。本来はするべきだという意見があるのも分かっています。僕一人ではなく、みんなで相談した結果ですが、無知な人間の会話ですからバカでしかないんですが、お金を取り戻したい一心だったので。もし被害届出して、そちらの手続きとか罪を明るみに出すことに時間をさくよりも、とにかくお金を戻すことが一番大事という意識になっていた。もしどうにもならなかったらそうしようというような順番にはしてました。現時点では弁護士さんにお任せして準備しています」

 ――当初の6億数千万円、そのうちの木本さんの持ち出し分は?

 「投資しようと思って出したお金は2000万円。あと残り6億は14人が出したお金。何人かの方が大きい額を出されている方もいて、額がこうなっている側面もある。実害部分については、もっとあるんですけど、口外できないことになっています」

 ――AやBは投資に失敗したのか、預かったお金を投資しなかったのか?

 「Aは最初トレードしていた。一度大きな損失を被ってから少し怖くなり、その後自転車操業的にお金をまわしてしまったという告白は受けています。Bはさらに調査しないと明言できないが、実態がなかった話ではないかという風に耳には入っています。本人からもそういうニュアンスの話もあった」

 ――お金はどこいった?

 「今、いろいろ調べてもらっているところ。被害を受けている人との情報共有がされていて、その人たちからいろんな情報から入れば教えてもらったり、伝えたりしている。事の真相がわからないという状態です」

 ――(Bが持ちかけた土地の取引をする)すごい会長というのは実在した?

 「結果的に、今の僕は実在していなかったんだと思っています。調べた方の情報によると、いなかったと思うよと」

 ――投資で失敗。逆手に取って勉強しサイドビジネスやネタにするのは?

 「もう投資は、僕は2度といいです。「投資」という言葉を口から発するのは今日で最後にしたいぐらいの気持ち。でも、こういうことを言うと、投資がダメみたいになっちゃうので、気をつけて発信していただきたいですけど。投資の勉強をされている方には失礼な発言をしましたが、僕みたいな人間が投資をすることは2度とあってはならないと思っています」

 ――投資にのめり込ませたものは何か。

 「最初は、資産が増えるのを目の当たりにしたときの高揚感で、のめりこんでしまったんだと思う。いろんな知識が入っていく中で、本を読んだりしてると、成功例ばかり見てしまう。仕事は水もので不安と戦ってましたし、年齢的にも50代が近づいてきた時期に入り、正直仕事に対してこれから先大丈夫か?という不安がありました。家庭でよく口にしていたのは、「収入の柱をもう一つ作らないとこの先怖い」と。その柱を、高揚感で…それってギャンブルと一緒なのに、なんとかお金増やして、いつまでもお笑いという仕事を続けられるようにしたいと思い始めていた。コロナ禍に入って不安が大きくなってしまって、さらに躍起になってしまったっていうのが正直なところです」

 ――関係者に死者が出たという報道。

 「昨年そういう記事が出てびっくりしました。もちろん僕は該当される方と直接知り合いではなく会ったこともない。ただ、僕と関連がある人が亡くなったみたいな記事だったので焦りを覚えた。いろんな人に話を聞くと、B氏の上司というか先輩でいろんなトラブルを抱えてたと。僕は知り合いではなく、亡くなられたという話なので、僕の口から適当なことは言えない。大変な目に遭われたんだなと、胸を痛めています」

 ――自身が主体という報道もされた。

 「気の持ちようがどうしたらいいか分からない日々の中で、それは違うと。そんなことは全くないのに、という記事が出ても、会見を開けず発信するところがなかった。雲隠れしているとか、逃げていると言われることもつらかったですし。すごく複雑な騒動を起こしてしまったんだな、というひと言に尽きる。説明したくてもできたないという状況に苦しんでました」

 ――国が個人投資を打ち出していることに対して。

 「国の皆さんが投資を学んでいかないとダメだという状況で、僕もそういう国になっていくんだと、僕も育てていかなきゃいけないんだと思ってきていた。でも常識の枠を越えてしまって。僕が踏み込んでしまったのは、投資ではなく投機。ギャンブルと言われても仕方ないことをしてしまった。別物だと、それをきちんと伝えていくことが、微力ですが僕の一つの責任かなと。そこに関しては勉強していくつもりです。講演とかそういうことをさせてもらえる機会があれば、本当にそういう活動をまずはしていきたいと願っている。そのために今勉強を始めています」

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