【アニ漫研究部】映画「SLAM DUNK」よみがえる伝説のラストの衝撃

[ 2022年12月4日 14:30 ]

映画「THE FIRST SLUM DUNK」の入場者特典として配布されたビジュアルカード。裏面のQRコードを読み取ると、絵が動き出す
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 人気のアニメや漫画を深掘りする「アニ漫研究部」。今回は、3日に公開を迎えた劇場版アニメ「THE FIRST SLAM DUNK」緊急座談会です。週刊少年ジャンプ(集英社)で1990~96年に連載された、バスケットボール漫画の金字塔が再びアニメ化。鑑賞してきたメンバーも含め、その魅力を語り合いました。

 スポニチ本紙デスク 「SLAM DUNK」の新作映画、ストーリーは大方の見方通り「山王戦」が中心だったようだね。

 漫画編集者 うん。全国大会2回戦ながら、クライマックスの山王戦。公式サイトに掲載された声優さんの並び順通り、宮城リョータが主役というか、彼の目線をメインに描かれていた。原作にない設定や場面もあった。

 本紙スポーツ記者 大げさにいうと「湘北高校VS山王高校」の試合を観戦しているような感覚でした。選手それぞれのプレーやチームの戦いぶりを見ていた感じ。その上で、物語として宮城の視点が加わっていた感覚かな。

 アニメライター 試合終了間際なんて特にそうだよね。緊迫の展開に引き込まれた。ていうか、知ってるはずなんだけどね(笑い)。原作漫画大好きだったし、学生時代から何回も読んでるはずなのに改めて見入っちゃった。

 本紙デスク 「SLAM DUNK」は、山王戦の後がスポーツ漫画としては珍しい終わり方で、読者には衝撃的だったよね。高校最強チームに勝ち、このまま突っ走るのかと思ったから、そうはならなかったから。

 漫画編集者 打ち切り説まで出たもんね。人気絶頂だっただけに、いろんな噂が流れた。

 アニメライター でも、改めて山王戦を見て思うけど、あの密度で描いたら、次の試合は描けないよね。

 スポーツ記者 それでも「タッチ」みたいに試合を描かなくても、優勝旗だけ描いて終わるパターンもあったわけじゃない?

 本紙デスク やはり、あそこで終わらせたのが、井上雄彦先生の狙いなんじゃない?最強チームに勝って、強さを証明した湘北がそれに見合う結果を得ることなく終わってしまう…現実のスポーツなら、そんなこともあるけど、漫画では珍しい。自分も当時、虚無感のようなものを味わったよ。ただの読者なのに(笑い)

 漫画編集者 自分も(笑い)。やっぱり名作だと思う。

 本紙デスク 今回の映画でも全国大会の最終的な結果は同じなの?

 アニメライター それは…どうなんでしょうね。自分で見てください。

 本紙デスク その後といえば、井上先生が連載終了後、廃校の黒板に描いた「あれから10日後」が入るんじゃないかって声もあったけど、どうだった?

 漫画編集者 それも自分で見た方がいいよ。でもツイッターで、それに関することはきのう(3日)投稿されてたね。“その後”への思いは強いのかも。

 スポーツ記者 今回の題名も「THE FIRST SLAM DUNK」。以前からのファンも、初めて見る人も「初めてのSLAM DUNK」との思いを込めたとのことだった。「FIRST」だから、次やその次まで考えてないかと期待もしてますが…

 アニメライター 声優陣が総替わりしたしね。一般的に旧作リメークの目的の1つは、新規ファンの開拓。その割に、旧作の声優陣は多くが現役バリバリで、SNSでは批判の声もあった。でも“次”や“その次”を作るとしたら総替えも納得できるかも。

 本紙デスク 旧作でゴリ役を務めた声優、梁田清之さんが先月14日に亡くなったけど、がん闘病中だったというし、制作サイドに“は1人代えるならいっそ…”という思いがあったのかな。

 スポーツ記者 実際、声優の変更はオールドファンとしてはどうだった?

 アニメライター 30年前のアニメを知るファンとして違和感はあった。でも、すぐ慣れたよ。それに新規ファンや、漫画しか読んだことのないファンは今回が「FIRST」だからね。

 本紙デスク 事前に公開された動画では、CGに違和感を持つ人もいたけど…

 漫画編集者 言われてみれば、序盤は気になったかも。でも途中から気にしてなかったよ。少なくとも映画に入り込む障害になるレベルではなかった。

 アニメライター 公開前の情報が凄く少なかったので、SNSは批判も多かったけど、公開後は高評価のコメントが並んでる。30年前の盛り上がりを知る人も知らない人も楽しめる作品だと思いますよ。

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2022年12月4日のニュース